Amazon USで販売するなら知っておきたい返品ポリシーについて

AmazonUS返品ポリシー

アメリカのリテール業界では、日本に比べてはるかに「返品・返金」が行いやすい環境が整っています。

日本では、不良品や欠陥品の場合に限った返品対応、サイズやカラー変更の際の交換など、細かく制限された返品ルールが一般的となります。

一方、アメリカでは、特別な理由がなくても返品が可能であることが一般的な慣習となっています。

特にAmazon USで販売されている商品は、その多くが「開封済み・使用済み」であっても、期限内であれば返品可能となっている点が大きな特徴です。

この記事では、アメリカのAmazonで販売を行ううえで理解しておくべき返品ポリシーの概要とFBA/FBMによる違いについて解説します。

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基本的なAmazon USの返品ポリシー

Amazon USでは、原則として商品到着から30日以内であれば、ほとんどの商品を返品可能としています(一部商品を除く)。

返品不可の主な商品カテゴリは以下の通りです。

  • 危険物:引火性の液体・ガス、危険物に分類される製品
  • デジタル商品:ダウンロード型ソフト、アクセス済のサブスクリプション
  • ギフト・プリペイドカード類:ギフトカード、ゲーム用のプリペイドカード等(法的要件を除く)
  • チケット:テーマパークの入場券など
  • 食品:生鮮食品、特殊配送制限付き食品
  • 生体商品:生きた昆虫など
  • カスタム製品:名入れなどの特注品
  • 一部のパーソナルケア製品、衛生用品、アクセサリー

また、下着・水着・バッグ・靴などは、試着時に保護シートを外したり、汚れが付着した状態で返品された場合、受け付けられないことがあります。

税金・送料・手数料の扱い

返品にかかる送料や税金は、原則として購入者負担ではありません(一部の州法では返品手数料が課税対象となる場合あり)。

FBA(Amazon倉庫配送)を利用している場合、返品に関する配送料や手数料は返金対象外となるケースがあります。

また、状態不良の返品商品には、Amazonの判断により返品手数料が課され、顧客のアカウントから差し引かれる仕組みです。

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FBAとFBMの返品ポリシーの違い

Amazonの返品ポリシーは、FBA(Fulfillment by Amazon)と FBM(Fulfillment by Merchant)の販売者によって若干の異なりが生じます。包括的な原則は同じですが、実行する方法はいくつかの異なりがあります。

FBA(Fulfillment by Amazon)のメリット・デメリット

Amazonの倉庫に商品を預け、出荷〜カスタマー対応までAmazonが代行する方式です。

メリット

  • Amazonが返品手続きをすべて代行(返品ラベルの発行、検品、在庫補充など)
  • 小規模事業者でもカスタマーサポートを省力化できる
  • 再販可能な返品商品は在庫に戻され再流通される

デメリット

  • 手数料・保管料が高く、低利益商品ではコスト圧迫に
  • 消費期限の短い商品では品質維持が難しく、リスクが高い
  • 商品パッケージ(特に化粧箱)に直接配送ラベルが貼られることが多く、返品再販が困難なケースも

FBM(Fulfillment by Merchant)のメリット・デメリット

自社(または委託先)から商品を発送し、返品も自社で対応する方式です。

メリット

  • 返品された商品の再販可否を自社で判断・管理できる
  • 状態に問題がある返品には返品手数料を請求可能
  • カスタマイズした検品・梱包対応が可能

デメリット

  • Amazonの標準返品ポリシー(30日以内返品受付)を満たす必要がある
  • 販売者指定の返品先住所に返品後、2日以内に返金処理を行う義務がある
  • 多くの場合、Amazonが購入者に先に返金してしまうため、返品確認前に返金が完了する

プリペイド返品ラベルプログラム

「大口出品者(Professional Seller)」は、Amazonによってこの返品ラベルプログラムに自動登録されます。

返品が開始されると、Amazonが販売者に代わって返送ラベルを発行。販売者が対応する前に、顧客への返金が進む点には注意が必要です。小口出品者は任意での登録申請が可能です。

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Amazon USユーザーの返品事情

Amazon USにおける平均返品率は、商品カテゴリ、商品リストの品質、販売者のカスタマーサービスなどのいくつかの要因によって大きく異なりますが、おおよその商品返品率は10~30%の範囲内に収まると推定されています。

ファッションやアパレル、エレクトロニクス(電子機器)、健康やパーソナルケアなどの特定のカテゴリは、サイズ問題、好みの変化、製品への期待などの要因により、返品率が高くなる傾向があります。

逆に、返品率が低い商品には食料品などの定番商品や、写真や商品説明と実物の誤差がない商品である場合が多いとされています。

返品率が高くなりがちなカテゴリ

  • ファッション・アパレル
  • エレクトロニクス(電子機器)
  • ヘルス・パーソナルケア商品

返品率が低い傾向のカテゴリ

  • 食料品・日用品など定番商品
  • 実物とのギャップが少ない商品(写真・説明が正確)

販売者は詳細な商品情報、明確な返品ポリシー、迅速なカスタマーサービスを提供することで、返品率と全体的なパフォーマンスを最適化することが求められます。

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Amazon USでの商品の販売は比較的簡単に始められるものの、日本とアメリカで返品に対する考え方の違いも大きく、売上を上げることや適切なカスタマーサポートの提供が難しいのも事実です。

もしAmazon USやアメリカでのオンラインビジネスに不安がある場合は、現地のオンラインアシスタントに業務委託すると良いでしょう。

Emily.アシスタントには、アメリカ在住の日米バイリンガルのアシスタントが所属しており、Amazon USやアメリカでECを運営している経験豊富なアシスタントのサポートを受けることができます。

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まとめ

アメリカのAmazonでの販売を行うなら知っておきたい返品ポリシーについてご紹介しました。

商材により返品率が異なったり、FBAもしくはFBMの選択によっても返品ポリシーが異なりますので、自社が販売したいアイテムがどのようなカテゴリに属しているか見極め、Amazon USの返品ポリシーに沿った内容の返品ルールを定めましょう。

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