「とりあえず海外」が撤退を招く|日本企業が陥りがちな海外進出の落とし穴

この記事は、Podcast番組「Emily. Radio 海外事業を育てるヒント」の内容をもとに作成しています。話し手:松尾裕介(COEL, Inc.代表)

日々、日本企業のアメリカ進出をサポートする中で、同じような失敗パターンを何度も目にします。「法人は作ったけど人手が足りなくて回らなくなる」「人はいるけど、売り上げが十分じゃない」といった、初期に起きやすい典型的なつまずき方です。

その背景を見ていくと、進出の目的があいまいだったり、1年先・2年先の計画が明確ではない状態で海外進出にトライしている日本企業が本当に多いんですよね。

「進出することが目的化している」とまでは言いませんが、今回お話しする「落とし穴」をあえて定義づけするのであれば、「目的とか計画も曖昧なまま、勢いで動き出してしまうこと」だと思っています。

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勢いで動き出すことの危うさ

もちろん最初に動き出すこと自体が悪いわけではありません。むしろ、動いてみないとわからないこともたくさんあります。

でも、それと同時に「スタートの設計」も重要なんですよね。「落とし穴」が「撤退」であれば、その穴に落ちないために気をつけるべきことがあります。

まず、最初にやるべきことは、「そもそも、なぜ海外に出たいのか?」という目的の整理です。すごく基本的な話なんですけど、実はここをちゃんと深く考えきれていないケースって、本当に多いんですよ。

「とりあえず」で始まる典型的な失敗パターン

たとえば、メーカーさんの事例で考えた時に、「とりあえずECサイト作りました」「いったん展示会に出展しました」っていうのは、海外展開のスタートとしてよくあるパターンです。

出ること自体はいいと思いますし、むしろ”現地の空気感をつかむ”っていう意味ではポジティブな選択なんですけど、それ留まりのケースというのは意外と多いんですよね。

「誰に向けて届けたいのか」「展示会も出たはいいけど、リードを商談につなげたあとのフロー・役割があまり決まってない」そういう話はよく見てきました。

せっかく出展したのにもったいないですよね。

そもそも、「展示会で得たリードをどう動かすか」って、事前に決めておくべき”オペレーション設計”なんですよ。国内で事業立ち上げるときには、誰に誰がフォローして、と全部設計していたはずなのに、海外になるとなぜかその設計プロセスをすっ飛ばして”アクションから入る”企業が本当に多いなと思います。

「海外=チャンス」という期待だけで動くリスク

もう一つ、特に厄介なのが”海外=チャンス”っていう、ふわっとした期待というかきっかけだけで動いてしまうケースです。

「販路を広げたいから海外に出よう」って、すごく自然な流れに思えますよね。気持ちはすごく分かるんです。きっかけとしては間違ってはいないんですけど、海外進出が目的化してしまっていると、とにかくいろんな手段をリストアップしてとりあえず試してみようとなって、ずっとガムシャラに続けると体力も続かずに、資金も尽きて撤退しようという感じになってしまうんですよね。

結果どうなるかというと、

  • 期待したほど売れない
  • 半年、1年経っても利益が出ない
  • 海外うまくいかなかったね

という感じで、表面的な印象や評価でしか判断ができない環境になって、このままコストをかけ続ける意味がないという判断のもと、撤退になる。

でも実はコケた理由って「海外が難しかったから」じゃなくて「はじめ方の設計ができていなかったから」に尽きると思うんですよ。

進出時のスタートの設計がなかったから、やるべきことがあいまいで、検証も改善もできなかった。つまり、“はじめ方で失敗してる”というのが原因なんです。

せっかくのチャレンジを無駄にしないために

せっかくのチャレンジがスタート時点で頓挫してしまうのは本当にもったいないですよね。経済的損失だけじゃなくて、社内のモチベーションにも影響しますし、次へのチャレンジにブレーキをかけてしまうことにもなりかねません。

「海外進出の落とし穴」は「目的も設計も曖昧なまま、勢いで動き出してしまうこと」と定義付けしましたけど、たぶんこれを意識できているのと、そうでないのとでは行動も変わってくると思うんですよね。

落とし穴に落ちないためには、

  • 海外進出をする前に、なぜ海外なのか?の目的を明確にする
  • その目的に基づいて、海外事業の進め方を再設計する

この2つが重要です。

海外進出を成功させるために

やっぱり海外進出をするからには成功したいですし、スタートする時の勢いというのも大事にしたいと思うんですけど、同じ道はなるべく辿らないようにしてほしいですし、ある意味お金もかからないでできることなので、会社やチームの方々で必要であれば向き合って話をしていただけるといいと思います。

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この記事の内容は、Podcast番組「Emily. Radio 海外事業を育てるヒント」でも配信しています。海外進出を目指す企業や、すでに海外事業に携わる方々に向けて、現場目線での課題解決につながるヒントを、アメリカから日本語でお届けする番組です。ぜひフォローして、エピソードをお聴きください。

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