米国進出4パターン解説 〜メリット・デメリット比較〜

国内事業が安定しビジネスがある程度軌道に乗った事業者が次に取り組むべきステップとして海外進出が挙げられます。近年のグローバル化や日本国内の少子高齢化に伴う市場縮小によって、事業の海外進出は以前と比べて格段に重要視されるようになっています。今回はそんな事業の海外進出(特に米国進出)を行う際におすすめの方法4つを紹介しそれぞれを比較していきます。本記事を参考に海外進出の形態やそれぞれの特徴について理解し自社にマッチした海外進出方法を見つけていただければと思います。

海外進出の中でも米国進出がおすすめの理由

本題に入る前に、数ある国の中でもなぜアメリカへの事業進出がおすすめなのかを確認しておきましょう。言わずもがな、アメリカは世界で1番の経済力を誇る経済大国です。そのため、アメリカでの事業を攻略できるか否かは企業のその後の成長を大きく左右する要素であり、企業活動をグローバル展開して行く際の登竜門のような存在であると言えるでしょう。実際に日系企業のアメリカへの直接投資は年々活発になっており、その額は2019年には67兆円を突破し、約9000もの事業所がアメリカで活動しているとされています。

ではそのようなアメリカで事業を展開する場合にはどのような方法があるのか、それぞれのメリット・デメリットとともに見ていきましょう。

4つの米国進出方法

アメリカで事業展開するためには現地に拠点を構える必要があり、その拠点の構え方によって米国進出方法は以下の4つに分けられます。

  1. 現地法人
  2. 支店
  3. 駐在員事務所
  4. Global Employment Outsourcing(GEO)

 

①現地法人

・メリット

この進出形態では、現地で事業を展開する新たな企業を1から設立するため、基本的に日本本社とは財務・法務上は別組織として扱われます。したがって、日本本社は米国進出にあたって直接の法的責任を負うことはなく財務情報も切り離すことができるため、リスクを軽減することができます。

・デメリット

一方で当然のことではありますが、新たな企業を1から設立するための手続きはやや煩雑なものとなっています。例えば、他の米国進出方法では必要ない手続きとして、取締役を最低1名用意しなければなりません。このように新たな組織を1から作るためには特有の手続きが必要となる場合があり、この点はデメリットと言わざるを得ないでしょう。

②支店

・メリット

この進出形態では日本本社の正式な支店として事業を展開します。したがって、財務・法務上は同一組織として扱われるため、支店の損益を本社の損益へ参入することができます。米国進出の初期段階においてアメリカ支店の赤字を元から覚悟している場合は、支店の損益を本社の損益に参入できることは組織全体としての節税につながるため、メリットと言えるでしょう。

・デメリット

この進出形態をとると、前述の通り財務・法務上は同一組織として扱われるため、支店で何らかのトラブルが生じた場合、本社にも影響が波及する可能性があります。支店は日本本社の社名を背負って事業を展開するので、トラブルの際には日本本社にもそれ相応の対応が迫られるでしょう。

③駐在員事務所

・メリット

この進出形態は支店による米国進出と多くの点が類似しており、損益を本社に参入できるので、支店の場合と同様に節税につながる点はメリットと言えます。これに加えて、駐在員事務所は法人としての決算・税務申告を求められません。企業経営の中でも特に大変な手続きの1つである決算・税務申告業務の手間が生じない点は非常に魅力的です。

・デメリット

駐在員事務所は営利目的の行為が禁止されており、商品管理や市場調査など限られた活動しかすることができません。また、営利目的の活動を判断するための明確な境界線もないことから、法的リスクを避けるために駐在員事務所を利用しない企業も少なくありません。

④Global Employment Outsourcing(GEO)

・メリット

短期的な人的・金銭的コストを最小化することができる点、及びすぐに事業を開始できる点がGEOを利用するうえでの大きなメリットとなります。業務委託の形態となるので、追加人材を準備する必要はなく、初期投資額や撤退コストは必要最小限に留めることができます。また、事業開始までに必要な期間は1週間程度と他の米国進出方法と比べても圧倒的に短期間となっています。

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・デメリット

業務委託として社外の力を借りるので、社内に海外進出のノウハウをあまり蓄積ができない点が長期的に考えた場合のデメリットと言えるでしょう。GEOを利用した海外進出を繰り返すよりは、初期費用がかかることを覚悟してでも自社の力で海外進出をする方が結果的にはコストパフォーマンスが良くなるでしょう。

まとめ

今回は米国進出を行う際におすすめの4つの方法、それぞれのメリット・デメリットを紹介しました。米国進出の目的や長期的な活動を視野に入れるのかなどを改めて整理し、最適な選択をしていただければ幸いです。

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