グローバル化の進展に伴いビジネスの海外進出の重要性が高まっている中、皆さんはどのようにして海外進出しようと考えていますでしょうか?
ECの急速な発展により、海外拠点を持たずとも海外でビジネスを展開できるなど、事業の海外進出は以前と比べると格段に容易になっています。
しかし、本格的に海外でビジネスを成熟させていきたいとなると現地の拠点なしにはなかなか難しいのが現実です。
この記事では、企業のグローバルな成長に欠かせない海外拠点の立ち上げ方について、特に経済大国アメリカに進出する場合の米国拠点の立ち上げ方を紹介します。
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米国拠点を立ち上げるメリット
拠点の立ち上げ方の解説に入る前に米国拠点を設置するメリットを確認しておきましょう。
米国拠点を設置するメリットとして最も大きなものは「新規で開拓した米国市場において効率的な企業活動を実現できる」ことです。
経営資源を日本本社から移動させるよりも現地で準備する方が効率が良いのは当然のことです。
また現地の情報をタイムリーに得ることができるので、柔軟に事業を展開させていくことができる点も効率の良い企業活動の実現に寄与しています。
言わずもがな、人口減少により市場縮小が懸念されている日本でビジネスを行うよりも世界屈指の経済大国であるアメリカでビジネスを行う方が企業としての成長性が見込める点もメリットとして挙げられます。
米国拠点の立ち上げ方
では次に米国拠点の立ち上げ方を見ていきましょう。
米国進出形態として、現地法人、支店、駐在員事務所、GEOの4パターンがありますが、今回はアメリカに現地法人を設立する場合のステップを紹介します。
①会社設立地域の選択
アメリカでは会社を設立した州とビジネスを展開する州が異なっていても問題ありません。
しかしその場合は「州外法人登録をしなければならない」「税務申告を複数の州に対して行う必要が生じる」といったように手間が増えてしまいます。そのため、事業活動地域が事前に明確な場合はその地域にて会社を設立する方が望ましいでしょう。
②会社名の決定及び定款の登録
会社設立にあたって会社名を決定する必要がありますが、設立地域に同名の会社や類似の会社名が既に存在している場合はその会社名で会社を設立することはできません。
州に事前確認をするなどして、会社設立直前になって焦らないようにしましょう。また会社名が決定したらその他必要事項も含めて、定款を登録する必要があります。
③連邦雇用者番号(EIN)の取得(Federal Tax IDナンバーの取得)
EINは銀行口座開設をはじめ諸手続きの際に必要となるナンバーです。会社設立後、なるべく早い段階で取得してしまいましょう。
申請時には会社責任者のアメリカにおける個人Tax IDナンバーが必要となります。忘れがちな項目なので注意しておきましょう。
④ビジネスライセンスの取得
これは会社を設立した州とは別の州でビジネスを展開する場合に必要となるライセンスです。事業を展開する州でビジネスライセンスを取得することをお忘れなく。
⑤Statement of Informationの申請
州によって異なるものの概ね年に一度、会社に関する諸情報を州に届け出る必要があります。
定款登録後に申請用紙が送られてくるので必要事項を記入の上、返送またはオンラインにて申請するようにしましょう。
⑥株式の発行
日本で会社を設立する際と同様にアメリカで会社を設立した場合も株式を発行する必要があります。
⑦州雇用者番号の取得(State Tax IDナンバーの取得)
従業員を雇用し給与支払い義務が発生する場合は雇用者用のTax IDナンバーを取得しなければなりません。
会社が従業員の「失業保険」と「障害保険掛け金」を給与から源泉徴収して払い込む際にState Tax IDナンバーは必要となるので忘れずに取得しておきましょう。
⑧「BE-13」(または「BE-13書類提出免除」)の提出
日本人や日本法人がアメリカ現地法人における議決権の10%以上を所有する場合、アメリカ商務省経済統計局へ届け出をする必要があります。
(各種条件を満たし届け出をする必要がない場合であってもその旨を示す「BE-13書類提出免除」を申請する必要があるので注意してください)
米国拠点立ち上げのポイント
ここまでで米国拠点のメリット及び立ち上げ方を解説しました。最後に米国拠点を立ち上げる際のポイントについて整理しておきましょう。主なポイントは次の2つです。
- 事前の情報収集
- スケジュールと数値目標の設定
事前の情報収集の徹底について、特に法規制や治安状況、政治情勢といった地域ごとにその時々で変化する情報は事前にしっかりと確認しておくようにしましょう。
スケジュールと数値目標の設定について、海外での事業は国内での事業に比べてリスクが極めて高くなります。そのため明確な事前目標を持ち、日々経営に関する修正を行うことが重要です。
まとめ
今回は米国拠点の立ち上げ方について解説しました。
日本とは異なる商慣習を持つアメリカに会社を構えることになるので、少々煩雑な手続きは多いですが、本記事を参考に必要な手続きを漏れなく行っていただければ幸いです。
もし自社で米国拠点の立ち上げが難しい場合や、英語に不安を抱えている場合、オンラインアシスタントを利用すれば良いでしょう。
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