アメリカのリテール業界の返品ポリシーの作り方や注意点

アメリカのリテール業界の返品ポリシーの作り方や注意点

アメリカの小売業界でビジネスを行う際、Webサイト上にユーザーが理解しやすい内容で返品ポリシーを掲載することを強くお勧めします。

なぜかというと、アメリカでは日本と異なり返品に寛大な文化で、ストア側とユーザー側の双方が返品ありきで商品を販売・購入することが共通認識となっており、日本における通常の返品ポリシーのような概要が分かりづらく、難しい文言でWebサイトに記載するのではなく、すべてのユーザーが理解できるように簡潔なカスタマーファーストの返品ポリシーを作成する必要があります。

この記事では、アメリカのオンラインショッピングサイトに必ず記載しておきたい返品ポリシーの作成方法や作成時に気をつけたいポイントなどをご紹介しています。

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アメリカ小売業界での返品について

アメリカのリテール業界では、商品が返品されるということを前提としてビジネスが行われており、アメリカにおける返品の常識は日本とは異なり、簡単に行える当然の顧客サービスであるという認識があります。

返品作業も非常に簡単でオンラインショッピングの場合であれば、マイページなどから返品リクエストを申請すると即座に返品伝票の発行が行われその瞬間から返送が可能となります。

また実店舗に関しては、商品を店舗に持ち込むと返品・返金が完了するという仕組みを採用している場合がほとんどです。

オンライン・オフラインに関係なく、ほとんどの場合で返品理由や特別な質問などを尋ねられることはなく、咎められることもなく、どのような場合であっても気軽で簡単に返品を行うことが可能なため、アメリカのリテール業界では、返品されることを前提とした商品やサービスのアプローチが重要となります。

商品パッケージや商品詳細で過剰な文言を記載しないようにしたり、オンライン店舗であれば適切な採寸・サイズの表示や、配送方法の選択やカスタマーサポートの対応次第で返品の減少に繋がるため、カスタマーファーストとなるようにさまざまな対策が必要とされます。

このようなことを加味した返品ポリシーの作成が非常に大切で、必ずアメリカの商習慣に合わせた内容での返品ポリシー作成に努めましょう。

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なぜ返品ポリシーが重要なのか

安心感のあるショッピング・エクスペリエンスを提供

顧客は商品購入時に安心感を得ることができるショッピング・エクスペリエンスを望んでいます。

実際にユーザーはオンラインショッピングで商品購入後、30日間の返品受け付け期間を期待しています。30日間の返品期間を定めているストアの場合、商品購入後から少し時間が経過してからでも商品に何か問題が発生した際、顧客は簡単に返品や商品の交換を行うことができるので、もし気に入らなかった場合でも返金が保証されているのでショッピングエクスペリエンスも向上します。

明確な返品・返金ルールの記載

オンラインショッピングを普段から利用しているユーザーは返品方法が難しく不明確な場合、そのようなストアでは買い物したくないと考える傾向があるため、アメリカでオンラインショッピングを営む場合、不明確な返品方法による顧客離れが起こらないように注意しましょう。

オンラインショッピングを利用するユーザーは実際に商品に触ったり、詳しいディテールなどを見ることができないため、商品到着後に実際の商品に満足しない可能性があることを理解しておきましょう。

返品または商品交換が可能である機会を顧客に提供することで、その利便性に共感した顧客が生涯リピーターになってくれる可能性も十分に秘めています。

ブランドの信頼性の向上

特にZ世代ユーザーの場合、オンラインショッピングをあまり信頼していないことがあるようです。

そのような世代に向けて信頼性を高める効果的な方法は、簡潔で明確な返品ポリシーを記載し安心できるストアであるということをユーザーに示すことが最善策であると言えます。

リピーター率の向上

Invesp社の調査によるとオンラインショッピングでの返品率は30%に対して、実店舗では8.89%に留まっているそうです。

実店舗のように低い返品率にするためには顧客の希望を反映させる必要があり、ユーザーの約92%が商品の返品手続きが簡単であれば再度購入すると回答し、79%のユーザーは返品送料が無料であることを希望すると回答しています。

現在、小売業者の約49%が返品送料を無料にしており、ユーザーの67%は購入前に返品ポリシーを確認しています。

ユーザーの62%は実店舗で商品を返品できる場合、オンラインショッピングをする可能性が高くなり、一方でユーザーの58%は面倒な作業を排除するために返品理由が無回答である返品ポリシーを望んでおり、47%のユーザーは返品リクエストと同時に返品ラベルを発行し簡単に印刷できる方法を希望しています。

ユーザーの27%は返品送料が無料であれば1,000ドル以上の商品をオンラインで購入することを考えますが、返品送料が無料でない場合は購入を考えるユーザーは10%まで減少します。

返品ポリシーの明確性を提示

返品ポリシーによりユーザーは返品期間と返品方法、返金方法や商品交換におけるすべてのルールを正確に把握することができ、これによりすべてのユーザーがもし購入商品に満足できない場合、どのように対応すれば良いのか一目瞭然です。明確な返品ポリシーの記載は不安を抱える潜在顧客が商品購入を決定することの後押しとなります。ユーザーの期待に応え、カスタマーファーストなストアであることを返品ポリシーを通じて示しましょう。

このように明確な返品ポリシーを提供することで、顧客が返品を行う際に手間を省くことができ、その後のリピート購入にも繋がることが期待できます。

返品ポリシーに含めるべき情報とポイント

返品対象となる商品を特定

すべての商品を返品・交換の対象とする、生鮮食品や衛生商品など一部の商品は返品・交換の対象外とする、などというようにどの商品が返品または交換可能であり、どの商品が返品または交換できないかを明確に記載しましょう。

明確な返品期限を決定

商品の返品期間は1週間から1年の間、またはそれ以上の期間を設定します。この返品期限の決定は、自社で最も最適であり顧客を満足させることができる期間に設定しましょう。最も一般的だと言われる返品期間は30日間(1ヶ月間)であり、最低でもこの返品期間が顧客がストアへ期待しているものとなります。

さらにストアで販売しているすべての商品の返品期間が同じであるか、一部商品は除くのかなど、商品によって異なりがある場合にはその旨も必ず明記して下さい。

細かい返品条件を記述

返品の際の細かなルールを正確に明記しましょう。

例えば、衣類は未着用であること、パッケージに入っていること、タグが付いていること、付属品がすべて揃っていること、などのようにすべての要件を必ず明記し、要件を満たさない商品の場合は返品を一切受け付けないことを必ず明記してください。

簡潔な返品ガイドを作成

商品を返品する場合に購入者が従うべき手順の返品ガイドを作成し、それをもとに返品作業を行なってもらいましょう。

購入者自身で返品伝票を作成するのか、ストアが提供する返品方法に従い返品伝票を取得するのかなど、購入者向けに梱包方法からラベルの貼り付け位置、同梱物の有無など商品返送までの手順を返品ガイドに記載します。

シンプルな返品ポリシー

簡単で分かりやすい言葉を使用し、簡潔で誰でも簡単にルールを理解できるようにシンプルな内容の返品ポリシーを作成しましょう。自社内や特定の専門分野のみで利用されている言葉や文言で記載されていても一般ユーザーには伝わらず、理解し難い条件をストアに掲載しているのは逆効果となります。返品ポリシー作成時には、簡単で明確なすべて返品ルールを記載し、そのすべての方法をユーザーが理解できる内容であることが重要です。

また返品ポリシーを完全なものにするために、返品ポリシーを公開する前に外部からフィードバックを求めるとより良い内容の返品ポリシーを作成することができるでしょう。

返品作業の期間を記載

返品の際の送料は誰が負担するか、返品処理(返品商品の受取 → 検品・入庫 → 返金など)にどのくらいの時間を要するのかを明確にましょう。

また返品用ラベルをストア側が提供するか、顧客が自分で作成・取得する必要があるか、などを返品ポリシーに記載します。さらに返品を処理するまでに必要な期間(営業日)を記載し、顧客へ返金されるまでの時期を提示しましょう。

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これまでアメリカのリテール業界における返品ポリシーに関してご紹介してきましたが、自社でルールの選定や文言の作成が難しいと感じている場合、現地オンラインアシスタントへ返品ポリシーの作成を業務委託すると良いでしょう。

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また日米バイリンガルのアシスタントが英訳・英文作成を行うため、正しい英語で文言を完成させるのでスパムのような怪しいWebページになることがなく、ユーザーが安心して返品ポリシーを確認後、商品購入の検討を行うことができるようになります。

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まとめ

Webサイトに必ず記載しておきたい返品ポリシーの作成方法や作成時に気をつけたいポイントなどをご紹介しました。

返品ポリシーにより、購入後に気に入らなかった場合でも返品できるという安心感を購入前のユーザーに与えたり、分かりやすく明確な返品対応はリピーター獲得も期待することができます。

返品はネガティブなイメージを抱きがちですが、アメリカの返品文化を受け入れ、現地に合わせた内容の返品ポリシーを作成することで、アメリカに住むユーザーから支持されるようになり、ビジネスの成長に貢献してくれることでしょう。

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