昨今の急激な円安の状況から、外貨(特にアメリカドル)を取得しようと考えている日本企業が増えてきています。
日本で運営しているサービスをアメリカでローンチしたり、飲食店の開業など様々な方法でアメリカへ進出している日本企業が現在、多く存在しています。
2024年春頃には、和民の焼肉業態のレストランがアメリカのテキサス州へ進出すると話題になっており、牛角に次ぐ日本式焼肉店がアメリカ上陸を果たすこととなりました。
日本式焼肉はアメリカ人にも非常に人気が高いレストラン業態なので、オープン時した際にはアメリカ国内で話題になることは確実でしょう。
このようにアメリカ進出を行っている有名な日本企業が多く存在しますが、中小企業の場合、資金力やアメリカでのコネクションがないという理由で、なかなか一歩が踏み出せず躊躇してしまっている場合もあるでしょう。
そのような場合、アメリカへ進出する良い方法として「物販」がおすすめだと言えます。
この記事では、日本企業がアメリカで物販を行う際の準備方法や重要なポイントなどをご紹介しています。
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アメリカ市場に向けたビジネスを意識・理解する
日本とアメリカでは消費者の嗜好が大きく異なる場合が見受けられます。例えば味覚的な好みで言うと、冒頭で少し触れた焼肉の牛角ですが、アメリカでは味付けやタレが日本と大きく異なります。
日本の場合、醤油ベースの味付けが多いかと思いますが、アメリカの場合はテリヤキやスパイシー味噌などの味付けが好まれ、つけダレにはポン酢やスパイシー味など、日本の焼肉とはかけ離れた味がアメリカ人には好まれているのです。
また食に対しての選択肢が多いアメリカなので、焼肉屋にも関わらずベジタリアンメニューがあったり、タレはグルテンフリーだったりと、食に規制がある人でも気軽に食事ができるような工夫が施されています。
アメリカの牛角は、決して安い価格帯の飲食店ではありません。ですが、卓上で自分で肉を焼くというエンターテイメント性と、アメリカ人の口に合う味付け、実際に日本に来たかと思わせるような日本的な内装にしたことで、北米に70以上もの店舗を構え現在も新規店舗の出店が続いているアメリカで成功を収めている日本企業だと言えるでしょう。
このようにアメリカで成功を収めるためには、日本の商品やブランドをそのまま流通させるのではなく、アメリカ人の好みに合うようにブラッシュアップを行う必要があると言うことがお分かり頂けたかと思います。
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業界や競合などアメリカ市場の情報をリサーチする
アメリカでビジネスを行う際にまず非常に重要なことがリサーチ(市場調査)です。
- どのような商品をどのような価格帯で販売しているか
- どのプラットフォームを利用して商品を販売しているか
- どのようなプロモーション、マーケティングを行っているか
このように他社競合や同じような背景を持つ日系企業、アメリカの消費者の反応など事細かなリサーチを行うことで、アメリカでの商品販売方法や適正価格、ターゲットとなる層へのアプローチ方法が見えてくるでしょう。
もちろん英語でリサーチする必要がありますが、日本とアメリカではインターネットの検索方法が大きく異なる為、検索キーワードの違いにも意識してリサーチを行う必要があります。
日本で「離乳食 チーズ」と検索するような場合、アメリカでは”Can babies have cheese slices?(赤ちゃんはスライスチーズを食べられる?)” “When can babies eat cheese?(赤ちゃんはいつからチーズを食べられる?)”など、具体的な質問を入力する場合がほとんどです。
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些細なことのように感じますが、アメリカでは文化と言語が異なるが故に日本と同様の方法でビジネスを行なっていては、成功の可能性が遠ざかってしまうでしょう。
実際にアメリカで生活をしている、アメリカの市場に詳しい人物へのヒアリングなど、現地の声を参考にアメリカ人の好みに合わせた内容で商品販売を行いましょう。
販売チャネルについて
アメリカに向けて自社商品を売りたい場合は、EC(AmazonグローバルセリングやAmazonUS利用、Shopifyでの自社EC作成など)を活用する方法と、実店舗への卸し(RangeMeでストアのバイヤーと繋がり、販路拡大など)などの手段があります。
物販の場合アメリカのAmazonへ出品することが、比較的早く効果を得られる手段だと考えられています。
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なかでも、1番簡単にアメリカ進出を可能にしてくれる方法はAmazonグローバルセリングだと言えるでしょう。
日本のAmazonに出品している場合は、簡単な手続きでアメリカのAmazonでも商品を販売することができます。
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アメリカ消費者の理解を深める
アメリカの消費者は人種やバックグラウンドなど様々なダイバーシティを持ちます。
日本だと年代や性別でおおよそ同じようなものを好む傾向がありますが、アメリカの場合、人種や育った環境で趣味趣向が大きく異なることが非常に多く、アメリカの消費者を一括りにすることは大変難しいです。
また住まいに関しても、どのようなものでも簡単に入手することが可能な都会エリア、食料品や日用品の購入は問題なく行えオンラインスーパーなどの利用も可能な郊外エリア、買い物に行くのが少し大変になってくる田舎的なエリアなど、居住地の環境によって消費者の動向が異なる場合も多くあります。
アメリカの消費者をより理解するために、インタビュー(アンケートやフォーカスグループなど)を行い、自社の商品に対する率直なフィードバックを頂き、商品販売の手段のヒントを得たうえでアメリカ市場での販売戦略を立てることは、的確な方向性を定めるために重要な方法だと言えるでしょう。
アメリカでのマーケティングの戦略を立てる
自社商品やブランドのターゲット層を明確にさせ、その層に訴えかけるための適切なマーケティングについての戦略も事前に考えておく必要があります。
- どのソーシャルメディアチャネルを利用するか
- 消費者と接触する為にメールマーケティングを行う
- イベントの開催
- アメリカの行事に合わせたキャンペーンの打ち出し
- 広告戦略
このようなマーケティング戦略を立て、自社商品やブランドの魅力をアメリカの消費者へアプローチしましょう。
特にアメリカで行われるイベントや行事などに合わせてマーケティングを行う必要があるので、アメリカの年間スケジュールを把握することが非常に大切だと言えます。
アメリカでビジネスを行なっており、マーケティング戦略を立てている場合、年間を通したイベント行事を把握する必要があります。シーズンや月ごとのアメリカでのイベント行事や祝日などを抑えたマーケティングを行うことで、アメリカのビジネスで良い[…]
オンラインアシスタント/Emily
ここまでアメリカでビジネスを行うポイントをお伝えしてきましたが、アメリカ市場を深く理解する人材がいない場合、アメリカでビジネスの成功を収めるためには多大なる努力が必要となります。
日々のコア業務を抱えながら並行してアメリカ進出を行う場合、このようなリサーチやマーケティング戦略など、アメリカに住んでいない場合、非常に骨の折れる作業となるでしょう。
そのような場合、アメリカで主流となりつつある「オンラインアシスタント」を利用して、リサーチやマーケティング戦略などの業務委託を行うのがおすすめです。
アメリカ在住でアメリカ市場でのビジネス経験が豊富な日米バイリンガルのスタッフが所属するオンラインアシスタント/Emilyでは、日本企業のアメリカ進出のサポートを行なっております。
日本企業がアメリカで行うリサーチやEC業務関連のセットアップや運用から、消費者を理解するためのアンケートやフォーカスグループの実施支援、各種マーケティングまで幅広くサポートが可能です。
まとめ
日本とアメリカでは消費者の嗜好が異なりますので、アメリカ進出を行う場合は、アメリカ市場を深く理解することがビジネス成功への鍵だと言えます。
入念なリサーチを行い、正しいターゲット設定をした上でその層に合う内容のマーケティングを行うことで、着実に販売を軌道に乗せることができるでしょう。
自社でリサーチやマーケティングを行える人材がいない場合や、アメリカの市場に関して理解が難しいなど不安材料がある場合、オンラインアシスタントを利用して業務委託するという選択肢もありますので、安心してアメリカ進出することができます。
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