アメリカ市場で活動する日本企業にとって、ネガティブレビューやクレームへの適切な対応はアメリカの顧客からの信頼を維持するために不可欠です。
ネガティブレビューとクレームは、顧客からの不満を示す点では共通していますが、内容と目的が異なります。ネガティブレビューは、製品やサービスに対する一般的な評価として公開され、他の消費者にも影響を与えます。一方、クレームは、特定の問題や不具合に対して直接企業に改善や補償を求めるもので、顧客が個別に解決を期待している点が特徴です。
本記事では、迅速かつ誠実な対応方法を具体的なアプローチとともにご紹介します。
⇒サービス資料のダウンロードはこちら
ネガティブレビューへの対応
ネガティブレビューは、企業の信頼性やブランドイメージに影響を与える重要な要素です。Google、Yelp、Facebookなどレビューサイトは色々とありますが、業界によってどのサイトが最も影響力があるかは変わってきます。また、レビュー サイトごとにレビューへの返信に関する独自のルール、条件、ガイドラインがあるため、注意しましょう。各サイトのルールに則りネガティブレビューへ適切な対応をすることで、日本企業はアメリカの顧客との信頼関係を築き、ブランドの評判を守ることができます。
ネガティブレビューに対する効果的な対応方法について、以下の5つのステップを具体例とともにご紹介します。
- 迅速な対応
- 感謝の意を示す
- 問題の特定と謝罪
- 解決策の提案
- 継続的なフォローアップ
迅速な対応
アメリカで運営する日本のホテルが、顧客から「チェックイン時間に部屋が準備されていなかった」というネガティブなレビューを受けた場合、レビューが投稿されてから24時間以内に対応することが重要です。例えば、「この度はチェックイン時にご不便をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。すぐに原因を確認し、今後このようなことがないようにスタッフの教育とシステムの改善を行います。」といった迅速な返答を行うことで、顧客に対して誠実な姿勢を示すことができます。
感謝の意を示す
アメリカで日本の家電メーカーが製品の不具合に関するネガティブレビューを受けた場合、「貴重なフィードバックをいただき、誠にありがとうございます。お客様のご意見をもとに、今後の製品開発に反映させていただきます。」と感謝の意を示し、顧客に対してその意見が重視されていることを伝えます。
問題の特定と謝罪
日本へのツアーを提供する旅行会社が、ツアー内容が期待に沿わなかったというレビューを受けた場合、まずは問題点を特定します。「ツアーがご期待に添えなかったことを心よりお詫び申し上げます。特に、ガイドの説明が不十分だった点について深く反省し、今後の改善に努めます。」といった不満内容に対する具体的な謝罪を行うことが、信頼回復につながります。
解決策の提案
アメリカで和食器を販売する日本のオンラインショッピングサイトが、配送の遅延に関する苦情を受けた場合、「配送の遅延について、ご迷惑をおかけし申し訳ございません。今後このようなことがないよう、物流プロセスの見直しを行います。また、次回ご利用時に使える10%割引コードをお送りいたします。」とお詫びとともに具体的な解決策を提案します。そうすることで、顧客の不満を軽減することができます。
ちなみに、AmazonのFBA利用の場合は、配送の遅れやトラブルに関するネガティブレビューがついた場合、Amazonカスタマーサポートに削除依頼をして、対象のネガティブレビューを削除してもらうことも可能です。
継続的なフォローアップ
アメリカで展開する日本の食品メーカーが、賞味期限切れの商品に関するクレームに対応したとします。後日、顧客に「その後、お届けした代替品はご満足いただけましたでしょうか?他に何かお手伝いできることがあればお知らせください。」とフォローアップの連絡を行い、顧客との信頼関係を強化します。
クレームへの対応方法
クレームの初期対応からフォローアップまでの一連のプロセスを適切に行うことは、顧客満足度と日本企業の信頼を維持するために特に重要です。下記の5つの対応方法について、具体的な事例を交えながら効果的なアプローチをご紹介します。
- 初期対応
- 誠実な謝罪
- 原因の調査と説明
- 解決策の提示と実施
- 顧客満足度の確認
初期対応
顧客のクレームを真摯に受け止め、まずはしっかりと傾聴することが重要です。顧客の話を遮らず、感情に共感する姿勢を示します。たとえば、飲食店でアメリカ人の来店客から料理の提供方法に対するクレームを受けた場合、まずは顧客の話を最後までしっかりと聞きます。「おっしゃる通り、料理のご提供方法について期待に沿えなかったこと、大変申し訳なく思います。ご指摘いただきありがとうございます。」といった返事をして、共感と感謝を示すことで顧客に寄り添う姿勢を示します。
誠実な謝罪
電子機器メーカーが製品に関するクレームを受けた場合、内容に応じて具体的かつ誠実な謝罪を行います。「この度は当社の製品がご期待に添えず、ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。特に、バッテリー寿命が短いというご指摘について、重ねてお詫びいたします。」といった詳細な内容を盛り込んだ謝罪を行い、誠意を伝えます。
原因の調査と説明
アメリカでサービスを提供する日本のIT企業が、システムのダウンタイムに関するクレームを受けた場合、顧客に対して分かりやすく説明します。たとえば「原因を調査した結果、サーバーの一部で予期せぬ負荷が発生し、システムが停止したことが分かりました。現在、システムの安定性を向上させるための対策を実施しております。」など調査結果を明らかにし、責任を持った対応を示します。
解決策の提示と実施
アメリカ向けに運営する日本のオンラインショッピングサイトが、配送ミスに関するクレームを受けた場合、「この度はご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません。新しい商品を急送させていただきます。また、次回のご注文にご利用いただける割引コードも提供させていただきます。」と具体的な解決策を提示し、速やかに実施することで、顧客の不満を軽減します。
顧客満足度の確認
アメリカで運営する日本のホテルが、宿泊中に発生したトラブルに対応したとします。数日後に「その後、ご滞在にご満足いただけましたでしょうか?何か他にお手伝いできることがあればお知らせください。」といったフォローアップのメールを送ることで、顧客が満足しているかどうかを確認します。
各々のクレームに対して丁寧に顧客対応を行いながらも、クレームをフィードバックとして活用し、サービス改善につなげる姿勢を顧客に示すことが信頼を得ることにつながります。
アメリカで物販関連のビジネスを行う場合、カスタマーサポートは必ず取り入れるべき顧客サービスのひとつです。チャットやメッセージ機能などから自動的に返信や回答を行い、人的リソース不足の解消を図ることももちろん大切な施策であると言えますが[…]
オンラインアシスタント/Emily.
オンラインアシスタント/Emily.には、アメリカ在住の日米バイリンガルが在籍しており、アメリカの文化を熟知したアシスタントが「カスタマーサポート」を行うので、アメリカならではのクレームにも即座に対応することが可能です。
またアシスタントは日本語がネイティブなので、在米の日本人に向けたビジネスの場合も、敬語や細かな日本語のニュアンスで伝えることが可能です。
カスタマーサポートを導入しているが期待しているような内容ではない、言葉の壁で上手くコミュニケーションが取れないなどといったお悩みをお持ちの日本企業の場合、オンラインアシスタントを利用したカスタマーサポートも検討すると良いでしょう。
2023年に100周年を迎えた「タイガー魔法瓶株式会社」様。その米国法人であるTiger Corporation U.S.A.のロサンゼルス本社を拠点にご活躍されているManager of Sales Operations and […]
まとめ
この記事では、アメリカにおけるネガティブレビューやクレームへの対応方法について、ご紹介いたしました。
アメリカのクレームには「金銭面や同等の商品・サービスを希望」という物質的なリクエストが含まれるケースもあります。アメリカの顧客がネガティブレビューやクレームを通して、解決に何を求めているかを学び、顧客満足度やブランド力の向上に繋がる対応策を実践していきましょう。
競争の激しいアメリカ市場でビジネスを展開する日本企業にとって、優れたカスタマーサポートを提供することは非常に重要です。この記事では、自社でカスタマーサポートを始めたいけど、どのようなサポート担当者を採用すれば良いかわからないという方[…]
アメリカ事業の立ち上げやリソース課題などでお困りの方はお気軽にご相談ください。
⇒サービス資料のダウンロードはこちら