FBAマルチチャネルフルフィルメント(MCF)とShopifyの統合方法

FBAマルチチャネルフルフィルメントとShopifyの統合

アメリカでECを運営する場合、Amazon USなどオンラインショッピングのプラットフォームに出品する方法とShopifyなどのツールを利用して自社ECサイトを作成する方法があります。

Amazon USに出品する場合、ロジスティックをFBAにすることでアメリカ国内に自社契約の倉庫を準備する必要がないのでグローバルセリングなど日本からでも簡単に出品することが可能です。

一方で自社ECサイトを運営する場合、アメリカでロジスティックの設置が必須となりますが「FBAマルチチャネルフルフィルメント(MCF)」を利用することでAmazon US出品とFBA利用の有無に関わらず、サードパーティーのプラットフォームでもAmazon(FBA)から商品出荷が可能となります。

この記事では「FBAマルチチャネルフルフィルメント(MCF)」と、アメリカで1番利用されているオンラインショッピングサイト作成ツール「Shopify」を統合する方法をご紹介します。

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FBAマルチチャネルフルフィルメント(MCF)とは

Amazon Multi-Channel Fulfillment

FBAマルチチャネルフルフィルメント(以下:MCF)」は、Amazonが提供しているロジスティックサービスです。Amazon以外のチャネルからの注文でも商品発送などの業務を担ってくれるサービスで、AmazonのFBA倉庫に商品を保管し、自社ECサイトやその他マーケットプレイスなど、他の販売チャネルから注文でも、ピッキング、梱包、在庫保管、発送などをAmazonに一任することが可能です。

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FBAマルチチャネルフルフィルメント

MCFとShopifyを統合するメリット

手作業の削減

MCFとShopifyの統合を導入すると、わざわざカスタマーの住所を手動で入力したり、注文を目視で処理・管理したりする必要がなくなったり、注文処理を自動化できるようになります。

そうすることで時間と労力など無駄な人的リソースをさく必要がなくなり、さらには自動化することによりヒューマンエラーも防ぐことが叶います。

配送パフォーマンス向上

統合によってシステムを自動化することにより、注文処理に要する時間が短縮されます。

双方を統合後はShopifyを用いた自社ECサイトで注文が発生した場合、その注文が即座にMCFに取り込まれ、商品のピッキング、梱包、出荷のプロセスが開始されます。システムの自動化により注文処理の時間が短縮され、カスタマーは商品をより早く受け取ることができます。

Shopifyの自社ECサイトとMCFを統合したWyze社は、ECサイトでカスタマーが商品を購入してから配送までのスピードを50%早めることができたそうです。

コア業務に集中

配送業務や受注管理などを自動化することにより、従業員は製品開発やマーケティングなどのコア業務に打ち込むことが可能となり、人件費の削減につながるほか、アメリカでのビジネス成長に集中することができます。

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MCFとShopify統合前のチェック項目

Shopifyで作成したECサイトとMCFを統合する場合、利用可能な統合オプションを選定し、自社に合うオプションを選択する必要があります。

統合プロセス開始前に、確認が必要な項目のチェックをしましょう。

フルフィルメントのオペレーション

統合前に現在のフルフィルメントのプロセスを評価しましょう。

Shopify以外の販売チャネル数と販売国の数に応じShopifyとMCFの単一のコネクタ、またはMCFに直接接続する複数の販売チャネルを処理するための統合作業が別途必要になる場合があります。

必要なカスタマイズ

もうひとつ確認すべき項目は、統合に必要なカスタマイズレベルです。

エンタープライズ リソース プランニング (ERP) システムに注文を送信する場合でも、ブランド名なしの梱包や配送業者としての Amazon Logistics のブロックなど、特定のMCF機能を利用する場合でも、これらのニーズはどの統合を選択するかに影響を与える可能性があります。

実際にすべての注文をShopify経由で処理するか、別の在庫管理システムまたは注文管理システムを使用するかによっても、統合の選択が影響を受ける可能性があります。

現在と将来の計画の両方をよく把握しておくことは、長期的にビジネスをサポートできる統合を最適に決定するのに役立ちます。次のセクションで利用可能なさまざまなオプションを検討するときに、これらの要素が意思決定のガイドとなるため、これらの要素をそれぞれ検討しましょう。

4つの統合オプション

「Built by Amazon」アプリ

ShopifyとMCF間を統合させるアプリBuilt by Amazon」は、無料で利用することができます。このアプリはShopifyのアプリストアでインストールできますが、現在はアメリカ国内での注文のみ利用可能です。

よってアメリカ国内のみで商品を販売し、MCFとShopify間で単一のコネクタのみ必要とする場合に最適な方法となります。

カスタマーがShopifyで商品を注文すると、Shopify用のMCFアプリはフルフィルメントのためにMCFにその注文のデータを送信します。

Built by Amazonアプリでは下記の機能を利用することができます。

  • シンプルな設定方法:4ステップの設定手順に従い、コーディングなど特別で専門的な作業を必要とせず、わずか数分で初期設定が完了。
  • 自動SKUマッピング:ShopifyのSKUとAmazon USのSKUが一致する場合、商品を自動でマッピングし、SKUが異なる場合カスタムSKUマッピングを実行。
  • リアルタイム在庫同期:自社ECサイトで在庫切れを避けるため、Amazon USの在庫と一致するようShopifyの在庫を常に最新版へと更新。
  • 複数ロジスティックの管理:自社ロジスティックなど、複数の倉庫で在庫管理する場合、MCF(FBA倉庫)からの出荷、または別倉庫からの出荷を選択。
  • 商品追跡:Built by Amazonアプリは、カスタマーの注文に関する最新情報を提供するため、MCFからShopifyに追跡情報を送信。
  • 複数ストアの接続:複数のECサイトをShopifyで運用している場合でもアプリでMCFと連動することが可能。(アメリカ国内に限る)

サードパーティのアプリ

サードパーティのアプリを使用することで、MCFとShopifyの統合を行い追加機能の利用を可能にします。WebBeeやByteStandなど、MCFが利用できるすべての国で使用可能なサードパーティアプリも存在します。

  • WebBeeAmazon USの在庫とShopifyの注文を同期しフルフィルメントの自動化、在庫と注文処理をリアルタイムで可視化。
  • ByteStandShopifyの注文処理を自動化、追跡情報の更新、チェックアウト時に正しい配送料を表示。

注文と在庫管理

ShopifyのECサイトを含む複数の販売チャネルからの注文を収集し、在庫管理を行うために利用したいツールは下記となります。

  • Veeqo : Amazon USの注文管理ソフトウェアであるVeeqoを使用し、すべての業務を一括管理。
  • ChannelAdvisor : ShopifyのECサイトをMCFに接続し、注文管理の合理化、フルフィルメントの自動化。
  • Listing Mirror : Shopifyを含むすべての販売チャネルへの出品、フルフィルメント、在庫管理の支援。
  • Pipe17 : 在庫および注文管理に加え、MCFを使用した自動注文フルフィルメントの提供。
  • Sellercloud : 自動フルフィルメント、オムニチャネル設定、カスタムレポート、会計サポートなどの機能を装備、ビジネス管理を簡素化。
  • ShipStation : 全ての販売チャネルの注文を監視、MCFでフルフィルメントを自動化。

カスタムAPI

MCFとShopify間で独自のカスタムAPI統合を構築したい場合、MCFでは開発者向けのAPIを提供しています。このオプションでは社内に開発者がいる場合か、外部開発者に業務委託することができる企業が対象です。

ShopifyとMCF間のカスタムAPI統合は、下記の手順となります。

  • 開発者ドキュメントにある登録ガイドを使用、開発者として登録。
  • 開発者アカウント取得後、開発者ドキュメント統合ガイドから、使用するAPIとその機能を決定。
  • APIが設定されると、ShopifyとMCF間で通信が開始され、カスタム統合に基づき注文管理される。

オンラインアシスタント/Emily.

これまでShopifyとMCFの統合方法をご紹介しましたが、自社での運用や初期設定が難しい場合、オンラインアシスタントへ業務委託すると良いでしょう。

オンラインアシスタント/Emily.では、アメリカ在住の日米バイリンガルによるアメリカビジネスのサポートを行なっております。

ShopifyとMCF統合のセットアップから、長期的な運用業務、カスタマーサポート代行、トラブルが発生した際の現地対応などのサポートを担います。

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まとめ

「FBAマルチチャネルフルフィルメント(MCF)」と「Shopify」を統合する方法をご紹介しました。

MCFを利用すれば、アメリカでロジスティックを設置しなくても、Shopifyを利用して作成した自社ECサイトで販売している商品でも、Amazon FBAと同じようなサポートを受けることが可能となります。

MCFを上手く活用することでロジスティックのコスト削減が叶ったり、在庫管理の一元化が可能となります。

統合の手法はさまざまなので自社に見合った方法で、ShopifyとMCFを統合させましょう。

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