日本国外を対象にした事業の拡大には、文化的・言語的な壁からターゲットとなる層やトレンド、ウケる商材などが日本国内とは全く異なることも多いため、日本で成功しているビジネスをそのまま海外へ輸出しても、売上を獲得するのが難しい場合も多くあります。
今後、北米進出を検討している、アメリカでの事業が伸び悩んでいる、さらなる飛躍を考えている日本企業の場合、まずは対象となるアメリカの消費者について深く理解することと、詳細なペルソナを構築することが的確な戦略や目標を立てるために重要となります。
この記事ではアメリカ市場や、アメリカの消費者についてリサーチ(市場調査)の方法をご紹介しています。
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アンケート調査
アンケート調査を行う場合、対象者に会うなどの直接的な接触や、電話を用いて会話、またはオンラインフォームで対象者に質問を問いかけデータを収集するなどがあります。
アンケート調査では、消費者の行動、好み、意見など、幅広いトピックに関するデータを収集するために行われます。
メリット
- アンケート調査は比較的簡単に、低コストで実施することが可能です。
- アンケート調査の場合、比較的すぐに大量の情報を得ることが叶います。
- データの分析は通常の場合、簡単に行えます。
デメリット
- アンケート調査の管理と分析には時間がかかる場合もあります。
- アンケート調査に参加してくれる対象者を見つけることが難しい場合もあります。
- 質問の言い回しや質問の順序によって、アンケート調査結果が意図しないものとなる可能性があります。
注意点・ポイント
- 回答者を圧倒しないよう、あまりにも多くの質問をしないようにしましょう。
- 質問が明確かつ簡潔であることを確認してください。
- 回答者に対し特定の答えを導かないため、中立的な質問を作成しましょう。
- 回答者にさらに詳細な回答を促すため、自由回答形式の質問を含めましょう。
インタビュー
インタビューは市場調査の一種であり、対象となる消費者と個人的かつ詳細な会話を行うことが可能となります。
インタビューでは、対象者の行動や態度、信念、趣味趣向など、幅広いトピックに関するデータを収集するために活用できます。
メリット
- インタビューでは、対象者に関する非常に詳細な情報を得ることができます。
- 実際に対面することが難しい場合、オンラインでインタビューを実施することが可能です。
- 回答者と良好な関係を築くことが叶います。
デメリット
- インタビュー実施に必要なリソース(時間、資金、人員など)が膨大になる場合があります。
- 参加する意欲のある回答者を見つけることが難しい可能性があります。 (参加を促進するためにインセンティブが必要な場合も多い)
- アンケート調査ほど広範囲のオーディエンスにリーチすることができません。
注意点・ポイント
- 対面、電話、ビデオチャットなど、インタビューを行うにあたり最適な形式を選択しましょう。
- 事前にトークスクリプトや時間配分などを用意して、確認したい内容を整理しておきましょう。
- インタビューの内容とその回答をどのように活用するかを必ず回答者に説明しましょう。
- 回答者の発言を繰り返し、共感を示すことで信頼関係を構築しましょう。
- インタビュー後、フォローアップのための時間をとりましょう。
フォーカスグループ
多くの企業は製品やサービスが発売される前に、潜在的な顧客グループを集めて製品やサービスについて話し合いを行います。
このタイプの市場調査は「フォーカスグループ」と呼ばれ、反応、認識、意見などに関するデータを収集するために活用します。
メリット
- フォーカスグループは、少数の対象者に関する非常に詳細な情報を取得できます。
- フォーカスグループから得た情報は、購入者の意思決定のプロセスを洞察するのに役立ちます。
- 製品のデザイン、パッケージ、価格、企業メッセージに対する顧客の反応を測定します。
デメリット
- 個別のインタビューほど詳しい情報は取得できない可能性が高いです。
- フォーカスグループの実施には費用がかかります。(参加者への報酬、場所代、モデレーターへの報酬など)
- モデレータの質問やグループの力関係(グループ内の支配的な人物の影響など)により回答にバイアスがかかる可能性があります。
- お金を払って参加している場合、回答者は正直なフィードバックをしてくれない可能性があります。
注意点・ポイント
- 多様なグループを参加者として得られるよう、参加者の採用プロセスが適切か確認しましょう。
- ディスカッションを軌道に乗せる方法を知っている熟練した経験豊富なモデレーターを使用しましょう。
- 参加者の非言語的合図(ボディーランゲージや目の動作など)にも注目してください。
- セッションの開始時に基本ルールを参加者へ明確に伝えましょう。
- 潜在的な異文化間コミュニケーションの問題を読み解き、事前に解決しておきましょう。
観察と調査
対象者を観察・調査する際、自然な環境下でリラックスをした状態で行います。
観察と調査は、買い物の習慣、公共スペースの利用、テクノロジーとの相互作用など、幅広いトピックに関するデータを収集するために活用できます。
メリット
- 観察と調査は比較的簡単で低コストにて実施できます。
- 観察と調査では他の市場調査から収集することが困難、または不可能な洞察を得る可能性があります。
デメリット
- 企業側の偏見により調査データが歪む可能性があります。
- 長時間に渡り対象者を観察するため、時間がかかります。
- 誰かに観察されていると意識した場合、人は自然な行動をしなくなる場合があります。
注意点・ポイント
- 観察と調査を行う場合は、必ずすべての倫理ガイドラインに従いましょう。
- 必ず全ての参加者の同意を得てください。
- 企業側は客観的な態度を心がけ偏見を避けましょう。
- 観察している行動を詳細にメモするかビデオに記録してください。
- データの正確な記録を残すため、観察後できるだけ早く報告メモを作成しましょう。
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マーケットリサーチを成功させるための8つのポイント
①調査の範囲と目的を明確に定義する
どのような市場調査を行うか目的がはっきりしていない場合、効果的な市場調査プロジェクトを計画することは困難となります。
提供する製品、ターゲット市場、拡張目標に基づき、プロジェクトの調査範囲と目的を定義する必要があります。
②早い段階から関係者の意見をもらう
市場調査の結果が影響する人材(マーケティング、営業、リーダーなど)は、プロジェクトの形成を支援するために最初から関与することが大切です。
対象者の意見は市場調査の目的が企業の目標と一致していることを保証し、主要な関係者からプロジェクトへの賛同を確実にするのために役立ちます。
③文化の違いを考慮する
新しいマーケットに進出する場合、市場調査に影響を与える可能性がある文化の違いを認識することが重要だと言えます。
例えば、文化により特定の種類の質問をすることが失礼だと考えられている場合や、ボディランゲージの解釈が異なる場合があります。 地元の市場調査パートナーと協力することで、これらの違いを乗り越えることが可能となります。
④適切な方法を選択する
どのような調査方法でも、最終的には必要な情報が得られると思いがちですが、実際には意図した情報を得られない場合も多くあります。
例えば、事前に定義された多肢選択式の調査は回答者が簡単に作業しやすいので好まれると思いがちですが、実際には最適な方法ではない可能性もあります。
⑤パイロットテストを行う
本格的な市場調査プロジェクトを開始する前に、選択した方法のパイロットテスト(調査の試案ができた段階で、調査対象に似たグループに対して試験的に調査を実施すること)を行い、その方法が市場調査に効果的であることを確認することが重要です。
これは潜在的な問題を特定し、データに影響を与える前に修正することに役立ちます。
⑥結果を注意深く分析する
世界中のあらゆるデータは時間をかけて慎重に分析しなければ役に立ちません。
また母国語以外の言語で調査を行った場合、認識違いが生じないように結果の解釈を手伝ってくれるネイティブスピーカーや地元在住者の助けを求めることをお勧めします。言語や文化の微妙な違いに精通している人物の協力を仰ぎましょう。
⑦調査結果を効果的に伝える
市場調査では複雑なデータを扱うことが多いため、コミュニケーションが課題となる場合があります。
関係者にとって明確かつ実用的な方法で調査結果を提示し、そのデータをもとにコミュニケーションを図ることが重要です。
⑧回答者のフォローアップ
回答者からデータ収集した際、事後的にフォローアップすることが非常に重要です。
これは参加者の回答してくれた意見を尊重していることを伝えることに繋がります。 さらに参加者のフィードバックに基づいた行動は、必ずその結果を知らせましょう。
例えば、参加者が提案した機能が製品に追加された、参加者のフィードバックが新しいマーケティングキャンペーンの形成に役立った、などのような内容です。
これにより回答者からの継続的な支持を得られるなど大きな成果が得られる可能性があり、企業の良い 印象を与えることで回答者との良好な関係を強化します。
文房具やオフィス家具などの製造・仕入れ・販売を行う大阪に本社を置くメーカーで、中国やインド、ベトナムなどで海外事業も展開されている「コクヨ株式会社」様。この度はコクヨ株式会社のグローバルステーショナリー事業本部グローバル戦略室グロー[…]
オンラインアシスタント/Emily
オンラインアシスタント/Emilyでは、アメリカでビジネス経験のあるアメリカ在住の日米バイリンガルのアシスタントが、アメリカ国内での市場調査のサポートを行なっております。
アメリカ市場に精通したアシスタントのサポートにより、アメリカ国内で円滑にリサーチを進めることが可能となります。
日本からの市場調査の場合、言語や文化の壁でリサーチで得た結果を正しく解釈・分析できない場合も非常に多くあります。
アメリカでマーケティング経験があるアシスタントは、リサーチ結果からカスタマー・ペルソナの構築など、具体的なマーケティング戦略策定のためのサポートを得意としています。
アメリカでビジネスを行う際、人材雇用に関して頭を抱えることがあるでしょう。日本企業がアメリカで現地雇用する場合、仕事に対する姿勢や働き方が日本企業の基準に見合う人材を探すよう、現場やマネジメント層から求められる状況があります。[…]
まとめ
アメリカ市場や、アメリカの消費者についてリサーチ(市場調査)の方法をご紹介しました。市場調査を正しく行うことで、企業が拡大戦略について十分な情報に基づいた決定を下すのに役立つ強力なツールとなります。
ただし計画と先見性が欠如していると、労力とリソースが無駄になってしまう可能性もあります。
アメリカ市場について深く理解している人材の支援を受け、リサーチを効果的に行い明確なビジネス戦略を立てましょう。
アメリカ事業の立ち上げやリソース課題などでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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