アメリカのインフルエンサーマーケティングは、ブランドの認知度を高めたり、ファンを獲得するための効果的な戦略となります。しかし、日本とは異なるルールや慣習があることも多く、事前に注意するべきポイントを知っておくことが重要です。
この記事では、アメリカでのインフルエンサーとのコラボレーションで注意すべきポイントについて解説いたします。
⇒サービス資料のダウンロードはこちら
インフルエンサーの選定基準
ターゲット層との一致
情報発信を効果的にするには、インフルエンサーのフォロワー層が自社のターゲットと一致しているかを見極めることが重要です。単に人気のあるインフルエンサーを選ぶのではなく、専門性やブランドとの相性も考慮しましょう。インフルエンサーが本当に愛着を持って宣伝するブランドや製品は、フォロワーに信頼されやすく、購買意欲を高める要因となります。
エンゲージメント率とコンテンツの影響力
インフルエンサーのフォロワー数だけでなく、いいね・コメント・シェアなどのエンゲージメント率を確認することで、本当に自社のターゲットに対して影響力があるかどうかを見極めましょう。
また、ブロガーや動画クリエイターは、持続的に価値を提供するコンテンツを作成し、検索エンジンでも優れたパフォーマンスを発揮します。彼らの長文記事や動画は、熱心なファンを引き付け、購買判断の参考にもなります。そのため、クリエイターチームに加えることで、ブランドの信頼性が高まり、Webサイトへの訪問者増加や検索結果の評価向上につながります。
ブランドの価値観との整合性
インフルエンサーの過去の投稿内容や発言を確認し、自社のブランド価値と矛盾しないかをチェックしましょう。不適切な発言やスキャンダルが後から発覚すると、企業イメージに悪影響を及ぼす可能性があります。
インフルエンサーの選定ポイント
マイクロ・ナノインフルエンサー(フォロワー数:数千〜10万人以下)は、自分の好きなコンテンツを発信し続けた結果、興味の近いフォロワーを獲得していることが多く、企業とのコラボレーション歴が浅い場合もあります。彼らと協業する際は、プロジェクトの説明や投稿ルールの共有を丁寧に行い、誤解やミスを防ぐために細かい指示を徹底しましょう。
一方、企業とのコラボレーションの経験が豊富なミドル・メガインフルエンサー(フォロワー数:10万人以上)は、タレントマネジメント会社に所属していることが多く、エージェントを通じた交渉が一般的です。契約の確実性や信頼性は高まりますが、コストも上がる傾向があります。
コラボレーションの進め方
効果的なコミュニケーションの取り方
日本の常識がアメリカで通じるとは限らず、契約後でも抜け漏れや遅延が発生することがあります。これを防ぐには、情報を明確に伝え、常にダブルチェックを行うことが重要です。また、キャンペーン概要や契約の細かい管理が、インフルエンサーとの関係を左右します。コミュニケーションがうまくいかない場合は、ワークフローを見直し、相手の混乱を招いていないか確認しましょう。
さらに、インフルエンサーへの初回のアプローチは、定型文のようなメッセージではなく、相手のこれまでのコンテンツに触れるなど、カスタマイズしたメッセージを意識すると、好印象を与えやすくなります。
目的とKPIの設定
コラボレーションの目的を明確にし、成果を測るKPI(例:クリック数、コンバージョン率)を設定しましょう。目的に合ったコンテンツを作成できるインフルエンサーを選ぶことで、効果的なコラボが可能になります。
また、具体的な期待値をインフルエンサーと共有することで、認識のズレを防ぐことができます。成功指標とKPIを活用すれば、キャンペーンの効果測定ができ、どのインフルエンサーが目標達成に貢献したかも把握できます。
- ブランド認知向上
- フォロワー獲得
- ウェブサイトのトラフィックの増加
- コンバージョン率の向上
上記のような具体的な目的に応じて最適な評価基準を設定しましょう。
アメリカのインフルエンサーへの広告支出は、2024年までに56億ドル、2029年までに市場規模は87億ドルに達すると予測され、年々拡大しています。アメリカの日本企業がインフルエンサーマーケティングを行う場合、キャンペーンが成功したかどうかを[…]
コンテンツの方向性
理想としては、インフルエンサーに過度な制約をかけず、インフルエンサーのクリエイティブさを尊重することが大切です。そうすることで、『典型的な広告』感が出過ぎることなく、インフルエンサーのフォロワーに自然な形で伝えてもらうことができるでしょう。
一方で、ブランドの訴求したいメッセージが正しく伝わるように、基本的なガイドラインを提供することは大切です。しっかりとインフルエンサーにガイドラインを説明し、正しく理解してもらえているかを確認しましょう。
アメリカでビジネスを行なう場合、インフルエンサーマーケティングは適切に行えば非常に効果の高いマーケティング手法となりますが、ただ一言にインフルエンサーマーケティングと言っても、さまざまな種類のキャンペーンがあります。この記事では、ア[…]
FTC(米連邦取引委員会)のガイドライン遵守
FTCのガイドラインでは、インフルエンサーはブランドとの関係性(金銭、無料商品、雇用関係など)を明示する必要があります。投稿の見やすい場所に配置し、たとえば「#ad」「#sponsored」など明確な表現を使用します。タグは必ずしも必須ではありませんが、フォロワーが簡単に理解できる表現が求められます。
画像・動画・ライブ配信でも適切に明示し、プラットフォームのツールだけに頼らず、インフルエンサー自身の言葉で伝えることが大切です。また、明示する際は投稿する言語に合わせて発信することも重要です。
契約と報酬の取り決め
契約書の重要性
アメリカでは口頭契約ではなく、正式な書面での契約が一般的です。投稿回数、使用するプラットフォーム、報酬、契約期間、著作権、契約解除条件などを明確に記載し、双方の認識のズレを防ぎましょう。また、個人情報など機密情報の取り扱いに十分気をつけましょう。
報酬の仕組み
固定報酬型、成果報酬型、商品提供型など、コラボの目的に合った報酬形態を選択しましょう。インフルエンサーによって、レートが異なるため、事前に確認した上で必要に応じて交渉をしましょう。インフルエンサーの投稿からの購入に対して報酬を支払う成果報酬型の場合、そのインフルエンサー専用に発行したトラッキングリンクやプロモーションコードを活用することが一般的です。
支払いのタイミングや支払い方法も、事前に確認しておきましょう。
長期的な関係構築
インフルエンサーとのコラボレーションをまずは試してみることで、実際の影響力やチームワークスキルを確認できます。パフォーマンスが良ければ、追加のキャンペーンに参加してもらったり、長期契約を結んだりすることで、より効果的なプロモーションが可能になります。相性の良いインフルエンサーと継続的に関わることでブランドの信頼性が向上し、より強い影響力を持つ関係を築くことができます。
アメリカでビジネスを行なう場合、適切に行えば非常に効果的なマーケティング方法としてインフルエンサーマーケティングがあげられます。日本とアメリカではオーディエンスやプラットフォームの使われ方、トレンドなどが大きく異なるので、最新のアメリカ[…]
オンラインアシスタント/Emily.
オンラインアシスタント/Emily.では、アメリカ在住でマーケティング経験のある日米バイリンガルのアシスタントが、インフルエンサーマーケティングのサポートも行っています。
代理店を使うには予算が足りない場合や、人員が少なく自社でインフルエンサーを探したり、やりとりをすることが難しい場合、またアメリカにおいてどのようなアプローチが適切なのかわからない、などのお悩みもサポートいたします。
まとめ
この記事では、アメリカのインフルエンサーとのコラボレーションで注意すべきポイントについてご紹介しました。アメリカのインフルエンサーマーケティングは大きなチャンスがある一方、適切な戦略を立てないとリスクも伴います。
適切なインフルエンサーの選定、契約の明確化、ガイドラインの遵守を徹底し、効果的なマーケティングを実施しましょう。また、相性の良いインフルエンサーと長期的なパートナーシップを築き、ブランドの成長につなげていきましょう。
アメリカにおけるインフルエンサーマーケティング市場は、着実に拡大しており、2025年には、インフルエンサーマーケティングへの支出が過去最高の90億ドルに達すると予測されています。日本企業にとって、アメリカ市場でのインフルエンサーマー[…]
アメリカ事業の立ち上げやリソース課題などでお困りの方はお気軽にご相談ください。
⇒サービス資料のダウンロードはこちら