アメリカのインフルエンサーへの広告支出は、2024年までに56億ドル、2029年までに市場規模は87億ドルに達すると予測され、年々拡大しています。アメリカの日本企業がインフルエンサーマーケティングを行う場合、キャンペーンが成功したかどうかを判断するためには、エンゲージメント率やリーチといった数字に加え、売上やブランド認知度への影響など、長期的な結果を測定することが必要になります。
この記事では、インフルエンサーマーケティングキャンペーンの効果測定とフィードバックについて詳しくご紹介します。
アメリカで事業を行なう上で、ぜひ検討したい施策がインフルエンサーマーケティングです。しかし、実際に運用を始めるとなると「敷居が高い」「どう始めればいいのかわからない」という方も多いのではないでしょうか。この記事では、アメリカ[…]
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測定すべき主な指標
インフルエンサーマーケティングキャンペーンで測定したい主な指標は、以下のとおりです。
フォロワーの増加
インフルエンサーのキャンペーンをきっかけに、ブランドの公式アカウントのフォロワーが増加したかどうかを確認します。キャンペーン前のフォロワー数からキャンペーン後のフォロワー数を引いて、それをキャンペーン前のフォロワー数で割ることで、オーディエンスの成長率を計算できます。たとえば、フォロワー数が3万から5万に増えたときは、66%になります。
エンゲージメント率
インフルエンサーの投稿に対する「いいね!」やコメント、シェアの数を測定します。これはフォロワーがどれだけコンテンツに反応したかを示す指標です。エンゲージメントを測定するには、投稿のインタラクション数(いいね、シェア、コメント)をフォロワー数で割ると計算できます。1万人のフォロワーがいて700の「いいね!」があった場合、7%になります。
ナノインフルエンサー(フォロワー数1万人以下) の場合、エンゲージメント率が 6〜8%以上 であれば良いとされています。マイクロインフルエンサー(フォロワー数1万~10万人)、マクロインフルエンサー(フォロワー数10万~100万)、メガインフルエンサー(100万以上のフォロワー)とフォロワー数が多いほどエンゲージメント率は低くなる傾向があります。
リーチとインプレッション
リーチは、一度でもそのコンテンツに触れた人の数を計る指標であり、広告やキャンペーンがどのくらいの広がりを持っているか、どれだけの新しい潜在的な顧客に届いたかを評価するのに使われます。リーチが高いほど、潜在的な顧客に情報が届いていることになります。
一方、インプレッションとは、広告や投稿が「何回表示されたか」を示す指標です。同じ人が何度そのコンテンツを見たかも含まれるため、リーチとは異なり、閲覧された総回数を表します。広告の露出度や認知度の強化にどれだけ効果があったかを評価でき、広告がどれだけ頻繁にユーザーに見られたかを測る指標です。
クリック率(CTR)
インフルエンサーの投稿からどれだけの人がリンクをクリックし、ウェブサイトやランディングページにアクセスしたかを測定します。
コンバージョン率
コンテンツを通じて実際に商品が購入されたり、サービスが利用されたりした割合を示します。これにより、キャンペーンが売上にどれだけ貢献したかを把握できます。売上を伸ばすためにインフルエンサーキャンペーンを実施する場合、まずリード(興味を持った見込み顧客)を生成し、そのリードの中から何人が実際に購入につながったかを追跡することが重要です。
投資収益率(ROI)
投資収益率 (ROI) は、あらゆるマーケティング キャンペーンにとって最も重要な KPI の 1 つです。収益性は、キャンペーンの成功を証明するだけでなく、次のキャンペーンを実行するための力となる指標でもあります。収益が支出、つまりインフルエンサーのコストやその他の関連費用を上回ったかを測定しましょう。
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効果測定ツールの活用
Google Analytics
Google Analyticsでは、ウェブサイトへのトラフィックやコンバージョン率の追跡が可能であり、どのインフルエンサーからのアクセスが最も効果的だったのかを分析できます。
Google Analyticsを活用することで、キャンペーンのランディングページに訪れたユーザー数、ユーザーの行動(ページの滞在時間、クリックしたリンクなど)、および最終的なコンバージョン(購入やサインアップなど)を測定することが可能です。これにより、どのインフルエンサーが高いエンゲージメントと売上に貢献したかを明確に把握できます。
ソーシャルメディア分析ツール
HootsuiteやSprout Socialなどのソーシャルメディア分析ツールでも、投稿のエンゲージメント(いいね、コメント、シェアなど)やリーチ、フォロワーの増減などを詳細に追跡できます。
これにより、各インフルエンサーの投稿がターゲットオーディエンスにどのように受け入れられたか、またどのようなコンテンツが最も効果的だったかを可視化できます。また、ハッシュタグの使われ方やどのくらい拡散されたかを追跡することで、ブランドの認知度がどれほど向上したかを具体的に評価することができます。
キャンペーン終了後について
フィードバック
キャンペーンが終了した後には、各インフルエンサーが目標達成にどの程度貢献したかを確認し、全体的なパフォーマンスレビューを行います。このプロセスでは、エンゲージメントの質も評価し、フォロワーが「いいね!」だけでなく、コメントやシェアを通じてどのように反応したかを深く分析します。また、ブランド認知やフォロワー増加といったキャンペーンの長期的な影響を追跡し、レポートを作成します。インフルエンサーからのフィードバックも得ることにより、キャンペーンの成果を包括的に理解し、次回への改善点を見出すことができます。
次回のキャンペーンへの応用
万人受けを狙うのではなく、特定のペルソナに焦点を当てることで、より効果的なマーケティングにつながります。得られたデータをもとに、ターゲットの再定義を行い、次回に向けより精密で効果的なターゲット設定を行いましょう。さらに、インフルエンサーとの信頼関係を強化したり、表現方法やコンテンツを改善して次回のキャンペーンへとつなげます。
オンラインアシスタント/Emily.
オンラインアシスタント/Emily.では、アメリカ在住のマーケティング経験のある日米バイリンガルのアシスタントが、インフルエンサーマーケティングのサポートも行っています。
人員が少なく自社でインフルエンサーを探したり、やりとりをすることが難しい場合、長期に渡るキャンペーン全体の支援でも短期的なスポットでも、アシスタントによるインフルエンサーマーケティングのサポートを提供できます。
アメリカでビジネスを行なう場合、適切に行えば非常に効果的なマーケティング方法としてインフルエンサーマーケティングがあげられます。日本とアメリカではオーディエンスやプラットフォームの使われ方、トレンドなどが大きく異なるので、最新のアメリカ[…]
まとめ
この記事では、アメリカにおけるインフルエンサーマーケティングキャンペーンの効果測定に関してご紹介しました。アメリカでの事業を成功させるために、インフルエンサーマーケティングは非常に効果的な施策ですが、目的と評価基準を一致させ、フィードバックを最適化することが重要です。
正確な効果測定ができれば、次回のキャンペーンの成功確率が高まり、マーケティング全体の改善にもつながります。現地の慣習やトレンドをよく知るアシスタントとともに、適切なキャンペーンを行い、インフルエンサーマーケティングを成功させましょう。
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