11月の第三木曜日のサンクスギビング(感謝祭)のから、クリスマスを過ぎ新年を迎える頃までの時期を「ホリデーシーズン」といい、年間を通してこのホリデーシーズンが一番経済効果がある時期だと考えられています。
この記事では、ホリデーシーズン用のマーケティング戦略を行い実際に成功を収めた企業やその方法についてご紹介しています。
アメリカにおいて、11月のサンクスギビング後のブラックフライデー・サイバーマンデーの経済効果が非常に高いものとなります。それに次ぎ、12月のホリデーシーズンの経済効果も近年では右肩上がりで、リテール業界にとって見逃すことができない重要な[…]
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Aperol Spritz’s “Merry Spritzmas Cards”
Aperol(アペロール)は、柑橘系でビターな味わいのイタリア産のリキュールです。
そのAperolとスパークリングワインであるプロセッコと炭酸水から作られたカクテルをAperol Spritz(アペロール・スプリッツ)と呼びます。
2022年12月に実施されたキャンペーンでは、Aperol Spritzにフォーカスした「Merry Spritzmas Cards(メリー・プリッツマス・カード)」(Merry Christmasにかけて)の企画が打ち出されました。
このホリデーキャンペーンでは、クリスマスに家族や友人らとの繋がりを持てるようにグリーティングカードを提供しました。
画像引用:Moo
Aperolのブランドカラーを基調とした鮮やかなグリーティングカードは、合計で3タイプのデザインがあり、各カードの外側には目を引く華やかなホイルのデコレーションがあしらわれ、グリーティングカードの内側には本格的なAperol Spritzを作るレシピも記載されていました。
Aperolのオンラインサイトで5ユーロで販売されたMerry Spritzmas Cardsを購入すると、イギリス全土の All Bar Oneどの店舗でもAperol Spritzが1杯無料で飲むことができるというキャンペーンでした。
このマーケティング方法では、ダイレクトマーケティングを上手に活用したことに加え、ソーシャルメディアでも宣伝したことで、従来のマーケティングとデジタルマーケティングのギャップを埋めることに成功しました。
さらに注目すべき点は、AperolはMerry Spritzmas Cardsで得た売上全てをホスピタリティ業界の従業員と、生活費高騰の影響を受けている人々の支援のために寄付しました。
ホリデーシーズンは家族や大切な人との結びつきを再確認するきっかけとなる時期でもあり、感情に訴えかけるハートフルなコンテンツを活用すると良いと言えるでしょう。
アメリカでビジネスを行っていたり、取引相手がアメリカの企業の場合、現地の祝日やイベント行事を把握することは円滑なコミュニケーションを取ったり、売上を確保する上で非常に重要だと言えます。年間を通したアメリカの祝日やイベント行事を把握するこ[…]
Warby Parker
Warby Parker(ワービー・パーカー)は、ニューヨーク発祥のアイウェアブランドです。
2014年Warby Parkerは、自社が所有するZine(個人または少人数の有志が非営利で発行する自主的な出版物)を、実際の小冊子として出版しました。
画像引用:Moo
この冊子はユーザーが店舗で買い物をしながら、パラパラとページをめくることができる「小さくて賢い一冊」となりました。
「人類の歴史には不運をもたらす迷信はたくさんあるが、良い迷信はほとんどない」という考えをモットーに、Warby Parkerはユーザーの気分を高め幸運をもたらすと思われる「幸運の前兆」をこの冊子でいくつか紹介しようと考えました。
このマーケティングキャンペーンの一環として、Warby Parkerはギフトカードの注文ごとに冊子を無料で郵送しました。
画像引用:Warby Parker Blog
Warby Parkerはホリデーギフトに加えて、ブランドのグリーティングカードなども巧みに活用しました。
また同じ商品や類似する商品をまとめて売るバンドル販売も導入し、まとめて購入するとお買い得であるとユーザーに訴求しました。
バンドル販売により販売者は販売量を増やすことができ、また購入者は個別で購入するよりお得に買えるといった双方にメリットがある状況にしました。
商品を複数購入したカスタマーは、友人や家族など大切な人に商品をシェアし、同じアイテムを身につけることで「幸運の兆し」の経験を提供することに成功しました。
大切な人と冊子に書かれた文言や、経験をシェアすることが可能なこのマーケティング戦略は、ホリデー シーズンにぴったりな施策となりました。
TD Bank
TD Bank(Toronto-Dominion Bank:トロント・ドミニオン銀行)は、カナダ五大銀行のうちのひとつでトロントに本社を置いています。
TD Bankはホリデーシーズンのマーケティングの一貫として、ソーシャルメディアのユーザーに恵まれない人々を支援するアイデアを投稿するキャンペーンを実施しました。
支援アイディアのSNS投稿から勝者が選定され、そのプロジェクトを実現するために24時間とプロジェクト実施用の資金が与えられました。
24日間のキャンペーン中に24団体にわたり、24人の人々とプロジェクトを行いました。
動画引用:Youtube
このキャンペーンでは車椅子生活を送る人や、養護施設で暮らす子供たち、スポーツ環境などへのサポートや改善を行いました。
ソーシャルメディアを通じて寄せられたアイデアで地域社会の改善に取り組み、人の温かさや優しい心に触れたこのキャンペーンは、まさにホリデーシーズンが絶好のタイミングであると言えるでしょう。
ホリデーシーズン自体のテーマに合致した施策により、TB Bankに対する好感度が向上し地域社会への還元を重視する企業という認識を植え付けることに成功しました。
Starbucks
Starbucks(スターバックス)は、シアトル発の世界最大規模のコーヒーチェーン店です。
ホリデーシーズンになるとStarbucksでは、ホリデーをテーマにしたテイクアウト用の華やかなデザインのカップが登場します。
Starbucksがホリデーカップを導入したのは1997年が最初で、導入当時からその華やかなデザインについて世間を賑わせました。
画像引用:Moo
長年にわたり期間限定のカップは世界中のStarbucksユーザーの注目を集め続け、その過程でStarbucksブランドの認知度を高めることにも非常に役立っています。
スターバックスのカスタマーは、毎年ホリデーシーズンに発表されるカラフルでワクワクするデザインを、1年間心待ちにしています。
このキャンペーンで用いられるデザインは、単なるクリスマスのキャンペーン用ではなく、あらゆる背景を持つ人々に向けたさまざまなホリデーシーズンのイメージがカップに描かれています。
さらにホリデーシーズンのデザインカップ以外にも、季節限定ドリンクやメニュー、タンブラーなどのブランド商品、店内の装飾までホリデーシーズンの影響を及ぼし、Starbucks全体がホリデーシーズンの空気を纏います。
また近年ではホリデーシーズンのスペシャルイベントとして、イベント期間にドリンクを購入するとホリデーのデザインが施されたリユーザブルカップをもらえるキャンペーンも大人気となっています。
Give Me Cosmetics
Give Me Cosmeticsはイギリスのコスメブランドで、TikTokでのマーケティングをうまく活用している企業です。
自然由来の成分を利用したり、動物実験を行わないことをモットーとした美容コスメを提供しています。
Give Me Cosmeticsは美容に関するあらゆることに情熱を注いでおり、美容に対する包括的かつ力強いアプローチと、セルフラブ・セルフケアを実践することを奨励しています。
ホリデーシーズンには自社製品の宣伝をするためにTikTokを利用し、ユーザーは TikTokショップからGive Me Cosmeticsの商品を直接購入することができます。
@givemecosmetics Imagining opening this on Christmas Morning, get it or regret it🎄❄️ #givemecosmetics #giveme #cosmetics #tiktokmademebuyit #christmascountdown #christmassale #christmas2023 #christmaswishlist #christmasgift #christmastiktok #givemecosmeticschristmasbundle #givemecosmeticschristmasedit #givemechristmas #locksandglow #givemelocksandglow #givemecosmeticslocksandglow
Give Me Cosmeticsは、マイクロおよびマクロのインフルエンサーとのパートナーシップを活用し、自社の美容製品のプロモーションを行いました。
製品レビューやGRWMなどのトレンド、クリスマスプレゼントのおすすめなどを組み合わせたコンテンツが作成されました。
TikTokで人気のハッシュタグ#TikTokMadeMeBuyIt は824億回以上の視聴回数を誇り、このハッシュタグでコンテンツを拡散させることで、ブランドをTikTokユーザーの目に留まるようにしました。
Give Me Cosmeticsはインフルエンサーのプロモーションに加えて、TikTokショップに掲載されているほぼ全てのホリデーシーズンアイテムを対象に大幅な割引を適用し購入しやすい価格設定にしました。
そうすることで商品購入を躊躇するユーザーに対してのアプローチにも成功しました。
アメリカでビジネスを行なっており、マーケティング戦略を立てている場合、年間を通したイベント行事を把握する必要があります。シーズンや月ごとのアメリカでのイベント行事や祝日などを抑えたマーケティングを行うことで、アメリカのビジネスで良い[…]
オンラインアシスタント/Emily.
ホリデーシーズンを活用したマーケティング方法をお伝えしましたが、自社でマーケティングやプロモーション、コンテンツの作成・更新が難しい場合、オンラインアシスタントへ業務委託すると良いでしょう。
オンラインアシスタント/Emily.では、日米バイリンガルのアシスタントが海外でビジネスを行う日本企業のサポートを行なっております。
英語でのコンテンツ作成や、インフルエンサーのリサーチ・コミュニケーションから、マーケティングのアイディア出しやプランニングなど、ホリデーシーズンに関するマーケティングをサポートいたします。
まとめ
海外大企業のホリデーシーズン・マーケティング成功事例5選をご紹介しました。
世界で活躍する企業は、ホリデーシーズンのマーケティングに注力しています。ホリデーシーズンは約1ヶ月半ほどあり、年間を通して最も消費者の購買意欲が高まっている時期です。
「家族や友人などの大切な人」「感情に訴えかけるハートフルなストーリー」などをテーマに、ホリデーシーズンのマーケティング戦略を行い、この時期の売上アップを目指しましょう。
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