アメリカ法人に必要なファイナンシャルレポート(財務報告書)とは?

アメリカ法人に必要なファイナンシャルレポート(財務報告書)とは?

アメリカで法人を持つ場合、ファイナンシャルレポート(財務報告書)の作成が必須となります。

ファイナンシャルレポートは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書を四半期ごとや年ごとに発行するように求められる場合があります。

税金管理の以外の目的でも月次でファイナンシャルレポートをまとめておくことが重要で、特にスモールビジネスを運営している場合、いつでもファイナンシャルレポートを提出できる準備を行なっておくと良いでしょう。

この記事ではアメリカ法人で作成が必要な「ファイナンシャルレポート(財務報告書)」の基本的な情報を解説しています。

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ファイナンシャルレポート(財務報告書)とは

アメリカでビジネスを行う中小企業や大企業など、株式を公開しているほとんどの企業が事業年度ごとにその事業年度の終了後、3ヶ月以内に提出を義務付けられている書類です。

財務報告書では下記3項目を記載する必要があります。

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
  • キャッシュフロー計算書

各種項目は、企業の収入と支出、保有物、借入など、資金の出入りについての重要な洞察を提供します。

株式市場への投資を公開している企業は、これら3つのレポートを四半期ごとに一般の人々と共有することが法律で義務付けられています。ただし、ほとんどの企業では管理および財務会計の目的で、社内の会計チームが毎月レポートを作成する必要がある場合もあります。

従業員が1人の場合でも、世界中に何千人もの従業員を抱えている場合でも、これらのレポートはビジネスの財務状況を理解し、長期的な財務目標に向けてどこに焦点を当てるべきかを理解するために不可欠です。

貸借対照表

貸借対照表は特定の時点における企業の資産、負債、および所有者の資本が記載されています。

これらは自社で所有しているものと借りているもの、および投資額などが含まれています。貸借対照表では企業価値を示すための財務状況を確認することができ、報告が必要な項目は下記の通りです。

資産

貸借対照表の資産項目では、自社が所有する現金に変換できる財産を内訳します。

こちらには、流動性の高い順に資産が記載されます。つまり資産を現金に変換しやすい順に記載する必要があります。

負債

負債の項目には、会社の負債が記載されます。負債とは定期的な支出、ローンの返済、その他の借金を含む、他者に対して負っている金銭のことを指し、流動負債と長期負債に分類します。

  • 流動負債:家賃、公共料金、税金、長期借入金に対する当座の支払い、利息の支払い、給与
  • 長期負債:長期借入金、繰延税金、年金基金負債

資本

ビジネス所有者の資本(企業の場合は株主資本またはステークホルダー資本と呼ぶ)は、以下を指します。

  • ビジネスによって生み出された金銭
  • ビジネスの所有者または株主がビジネスに投入した金額
  • 寄付された資本

ビジネス所有者の資本は純資産となり、貸借対照表では「自己資本 = 総資産 – 総負債」で算出します。

損益計算書

損益計算書は特定の期間における企業の収益、費用、全体的な損益を報告し、中小企業が財務実績を報告するために作成する主要な財務諸表ひとつです。

損益計算書には、企業が生み出す総営業利益が表示されるだけでなく、その収益に関連するコストも含まれ、一定期間にわたる企業の財務実績を示す重要な財務諸表です。

損益計算書はビジネスがどの程度効率的に、営業経費を収益に変換できるかを分析することも可能で、ビジネスが長期的に収益を生み出す能力があるかどうかを判断するのに役立ちます。

新たな高価な設備に投資するか、会社の財務状況が改善するまで待つか、などというようなビジネスを運営するうえで重要な決定を下す指標となります。

キャッシュフロー計算書

キャッシュフロー計算書は、特定の期間における会社のすべての収益と負債を詳細に記録します。

これは従業員への給与や、会社が抱える負債を支払うのに十分な現金が手元にあるかを示し、企業の短期的な存続の可能性を表しています。

各種支払いに対して十分な現金がある場合、企業キャッシュフローはプラスであるとみなされます。キャッシュフロー計算書 は、下記3つの項目となります。

営業活動

キャッシュフローの営業活動は、企業の製品生産と販売に直接関連する費用、それらの販売によって生成された収益を指します。

営業活動には下記が含まれます。

  • 原材料の購入
  • 在庫管理費
  • 広告
  • ベンダーへの支払い
  • 給与および従業員福利厚生の支払い
  • 企業投資からの配当金
  • 受け取った利息、支払った利息
  • 法人税及び繰延税金
  • 製品やサービス販売による収益
  • 減価償却費と償却費
  • 固定資産の売却

投資活動

投資活動には下記が含まれます。

  • 長期投資(株式や債券の購入または売却など)
  • 不動産の購入または売却、設備投資
  • ローンの支払い(銀行ローンの利息は営業活動)
  • 金銭の貸付
  • M&Aの支払いに関連する費用

不動産や設備投資を行うことでキャッシュ フローを生み出すことができますが、それら特定のコストはビジネス収益性を示すものではありません。

資金調達活動

資金調達活動には下記が含まれます。

  • 投資家や株主からの現金流入
  • 債券(債券など)発行から得た現金
  • 配当金による現金流出
  • 自社株買い
  • 従業員によるストックオプションの行使による収益
  • キャピタルリース

オンラインアシスタント/Emily.

ファイナンシャルレポート(財務報告書)についてご紹介しましたが、アメリカで経理など専門知識がない場合、ファイナンシャルレポートに関する作業をオンラインアシスタントへ業務委託すると良いでしょう。

ファイナンシャルレポートを含む経理業務は法に触れる可能性もあるため、何も知識がないまま進めてしまうとビジネスの存続に関わる可能性も大いにあります。

オンラインアシスタント/Emily.では、アメリカ在住の日米バイリンガルのアシスタントが日本企業のサポートを行なっております。

ファイナンシャルレポートは作成するまでの事前準備も多く、経理では細かい業務がたくさんありミスが許されないので、アメリカで経理業務の知識がある人材が業務を遂行する必要があります。

また経理ではデータ入力や確認などの時間を要する作業が多く、然るべき人材がコア業務に集中できないパターンも多くあります。

ファイナンシャルレポートを含めた経理業務をオンラインアシスタントに外務委託することで、少人数制でアメリカでビジネスを行なっている場合でも、業務の効率化を図ることが可能となります。

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まとめ

アメリカで法人を持つ場合に必要なファイナンシャルレポート(財務報告書)についてご紹介しました。

日本で経理の知識があった場合でも、アメリカと日本では必要な項目や書類、提出時期などが異なることが多々生じるため、アメリカの経理が詳しい人材に報告書のチェックや作成を委託することをおすすめします。

ビジネス拡大や売上に焦点を置きがちですが、経理などの事務業務を疎かにしていると後々しわ寄せが来るかもしれません。

アメリカでビジネスを営んでいるのであれば、経理などを効率化できる方法を探し、バックオフィスをスムーズに完結できるようなフローを導入しましょう。

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