アメリカで企業活動を行なうにあたって、カスタマーサポートの質は顧客満足度を大きく左右します。ビジネスを成長させるために質のよいスタマーサポートを提供することは必須といえます。
では、どのように自社のカスタマーサポートを評価すればいいのでしょうか。
この記事では、おさえておきたいカスタマーサポートのKPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指数)をご紹介します。
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カスタマーサポートの向上に役立つ11のKPI
カスタマーサポートは営業部門などと異なり業績が数字に現れにくく、評価が難しい部門です。
自社のカスタマーサポートを客観的に評価し、改善の道筋を探るために、下記のようなKPIを参照するのがおすすめです。
カスタマーサポート自体のK P Iと、カスタマーサポートを含むサービス全体に関わるK P Iに分けて紹介します。
◆カスタマーサポート自体のK P I
カスタマーサポートが効率的に顧客の問題を解決できているか、投入しているリソースに過不足がないかを知るためのK P Iを6項目紹介します。
1. 一時応答までにかかった時間(First Response Time/ FRT)
顧客からの問い合わせに即座に応答することは、顧客満足度を高めるうえで重要です。特にアメリカでは短時間での応答が求められ、問い合わせから1分以内に応答があると購買可能性が大幅に上がる、との調査結果があります。
一次応答までにかかった時間を算出するには、「一次応答をした日時」から「顧客から連絡があった日時」を引きます。
時間がかかりすぎている場合はカスタマーサポートの増員やチャットボットの利用を検討します。
2. 1コールでの解決率(First Contact Resolution/ FCR)
1コールでの解決率は、受けた問い合わせのうち、最初の応答で問題を解決できた問い合わせの比率です。この指標は顧客満足度に直結します。
「1回の返信で問題解決した問い合わせ数」を「問い合わせ総数」で割って算出します。
このK P Iのカギとなるのは、カスタマーサービスチームの課題理解力および解決力です。
チームをトレーニングしたり、ライブチャット用の脚本を提供したりすることで、最初の連絡で問題を解決する率を上げることができます。
3. 解決までの平均時間(Average Resolution Time/ ART)
顧客の問題を解決するまでにかかった平均時間が短いほど、顧客満足度は上がります。
解決までの平均時間は、問題解決に使った日数またはオンライン時間の総計を解決件数で割って算出します。
20件の解決にかかった時間の総計が60日であれば、解決までの平均時間は3日となります。
4. 放棄呼率(Abandoned call rates)
カスタマーサポートにかかってきた電話全体のうち、問題解決の前に顧客が切ってしまった通話は放棄呼と呼ばれ、顧客満足度を下げる大きな要因になります。
放棄呼が起こる最大の原因は保留時間が長すぎることです。
放棄呼率は放棄呼数を着信件数で割って算出します。
たとえば、着信件数が1,000件で放棄呼が60件の場合、放棄呼率は6%です。
5. 問題解決ごとのコスト(Cost per conversation)
コストはカスタマーサービスにおいて最も大切なKPIのひとつです。
総コストをサポート件数で割った数値を記録・分析し、コストが高過ぎるときには、どこに問題があるのかを見極めましょう。
このK P Iを改善するには、チームの適切なトレーニングや、ビジネス上の需要に応じた人員配置スケジュールの調整が必要です。
6. チャンネルごとのパフォーマンス分析(Analysis of channel performance)
オムニチャンネルを取り入れる企業が増え、顧客とのコミュニケ−ション方法もウェブサイト、メール、電話、SNSなど多岐にわたるようになりました。
自社のカスタマーサポートではどのチャンネルがよく使われているのかを知っておくことは、適切な人員配置などのために重要です。
◆ブランド全体のパフォーマンスに関するK P I
以下に挙げる5つのKPIはカスタマーサポートを含むブランド全体の業績に関わるもので、カスタマーサポートのみのパフォーマンス改善で向上させられるとは限りません。
しかし、カスタマーサポートの品質はブランド全体の業績と密接につながっているため、下記のKPIもカスタマーサポートの業績評価の参考になります。
7. 既存顧客の維持率(Customer Retention Rate/ CRR)
ビジネスにとって顧客維持率は非常に重要です。高品質で一貫性のあるカスタマーサービスを提供することで顧客維持率、ひいては顧客生涯価値が上がります。算出方法は下記のとおりです。
顧客維持率 X = ((E – N) / S) * 100
一定期間終了時の総顧客数(E)から期間中に得た新規顧客数(N)を引き、期間開始時の既存顧客数(S)で割って100をかけます。
たとえば、年度始めの顧客数が100人、年度中に得た新規顧客が20人、年度終了時の顧客数が90人であれば、顧客維持率は((90-20)/100)*100=70%となります。
8. 顧客満足度(Customer Satisfaction Score/ CSAT)
顧客が商品やサービスに満足しているかどうかの指標です。
さまざまなコミュニケーションチャンネルを使って、顧客に満足度を質問しましょう。
たとえば、「弊社のサービスにどのくらい満足していますか(とても満足、まあまあ満足、不満足から回答を選択)」「この商品の満足度を1から10で言うと?」などの質問が考えられます。
この指標には決まった計算方法はありませんが、たとえば下記のような方法で算出できます。
顧客満足度=(「満足」と回答した顧客数/回答した全顧客数)*100
9. 顧客努力指数(Customer Effort Score/ CES)
顧客努力指数は買い物や疑問点の解決のために顧客がどのくらい苦労したかをはかる数値で、顧客満足度に直結します。
顧客に「今日、問題を解決するのはどれくらい簡単でしたか?」と質問し、1から10の数値で評価してもらいましょう。
10. 平均コンバージョン率(Average Conversion Rate)
平均コンバージョン率は、ウェブサイトの訪問者数における購入完了者の割合です。
算出するには、コンバージョン数を総訪問者数で割って100をかけます。
顧客が買い物の途中で疑問を持ったときにカスタマーサポートから適切な回答が得られるかどうかが、コンバージョン率を左右します。
11. ネットプロモータースコア(Net Promoter Score/ NPS)
ネットプロモータースコアは顧客のロイヤルティをはかるための数値であり、ブランドの今後の成長を予測するのにも使われます。
「他の人にこのブランドのことを伝える可能性は1から10で表すとどのくらいですか?」と顧客に質問し、回答が9か10なら忠実な「プロモーター」と判断します。
7か8なら満足してはいるが忠実度は高くない「パッシブ」、0から6ならブランドに不満で悪評を広める可能性がある「ディトラクター」と考えます。
総回答者に占めるプロモーターの割合からディトラクターの割合を引いて算出します。
カスタマーサービスのKPIを観測し続けよう
ここで紹介したカスタマーサポートのKPIは一度調べて終わりではありません。
定期的に観測して分析することで改善点を見つけ出し、サポートの質を向上させることで、業績の向上につながるはずです。
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