クラウドファンディングは新しい資金調達の方法であり、特にアメリカ市場ではその重要性が年々大きくなっています。
中でもKickstarter(キックスターター)やIndiegogo(インディゴーゴー)といったクラウドファンディングのプラットフォームが注目を集めています。
この記事では、日本企業がどのようにアメリカでクラウドファンディングを活用できるかについて焦点を当てご紹介していきます。
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アメリカでのクラウドファンディングについて
クラウドファンディングは多くの支援者が少額から高額な資金をプロジェクト遂行のために投資、プロジェクトを支援する手法です。
起業家やクリエイターが新しいアイディアや事業を実現するため、または個人のチャレンジに対する支援などにクラウドファンディングが利用されています。
特にアメリカでは、Kickstarter(キックスターター)やIndiegogo(インディゴーゴー)、GoFundMe(ゴーファンドミー)などが一般的なクラウドファンディングのプラットフォームで、個人や企業が創造的なプロジェクトに資金を提供するツールとして注目を集めています。
アメリカにおけるクラウドファンディングは、資金調達の機会を拡大し市場の検証に役立っています。起業家は支援者から直接的なフィードバックを得つつ、現地市場の需要を確認することができます。
プロジェクトが成功すると資金調達が可能になるだけでなく、支援者とのコミュニケーションを通じて、将来的な事業発展につなげることが可能となります。
なお、実際にアメリカで成功した各クラウドファンディングのキャンペーンでは、平均して33,430ドルを調達していると言われております。これはビジネスと起業への投資がクラウドファンディング投資全体の40%を占めており、社会的支援・寄付に焦点を当てたものは20%ほどを占めるというデータがあります。
また36%以上のアメリカ在住の人がクラウドファンディングで支援することには、不慣れ・あまり関心がないとの調査結果もあるようです。
※参考
Successful crowdfunding campaigns raise an average of $33,430.
40% of crowdfunding investments are focused on business and entrepreneurship, while 20% focus on social causes.
More than a third of Americans (36%) are unfamiliar with crowdfunding.
Global growth of the crowdfunding market is expected to maintain a CAGR of 16% between 2020 and 2025.
KickstarterとIndiegogoの比較
今回はビジネス支援における代表的なサービスをピックアップしますが、Kickstarterはクリエイティブプロジェクトに特に適しており、All or Nothingモデルの成功報酬型です。
一方でIndiegogoはガジェット系や先進的な商品を取り扱うことが多く、また柔軟な資金調達が可能で、幅広いプロジェクトに適しています。
アメリカ進出を検討する日本企業は、対象となる商品やプロジェクトの性質、資金調達の柔軟性を考慮し、どちらがビジネス目標に適しているかを検討するとよいでしょう。また調達する通貨によっても手数料が異なる場合があるのでこちらも注意が必要です。
Kickstarter | Indiegogo | |
概要 | 人気のあるクラウドファンディングプラットフォーム | 幅広いプロジェクトに対応する柔軟性がある |
知名度 | 高い | Kickstarterに比べるとやや低い |
手数料 | 達成時は5%、未達成時は手数料なしで調達もなし。決済手数料あり。 | 達成時は5%、未達成時は手数料あり(詳細な手数料体系あり) |
サポートネットワーク | より厳格な審査と物理製品に特化したサポート | デザインから配送までサポート可能 |
カテゴリ制限 | 特定のカテゴリに制限がある | カテゴリの制限が少なく、多岐にわたるプロジェクトが可能 |
プロモーション | 信頼性が高く、広く知られているためプロモーションが補助される | Kickstarterに比べるとやや知名度が低いため、プロモーションがより重要 |
審査プロセス | プロジェクトに関する詳細な情報が必要で、厳格な審査が行われる | 柔軟性があり、審査が比較的緩やか |
※2023年11月現在
クラウドファンディングを成功させるためのポイント
ここからは、クラウドファンディングキャンペーンを準備するためのヒントや戦略をご共有していきます。
・目標の設定
具体的で現実的な資金調達目標や期間を定め、明確なメッセージを支援者に提供します。
・魅力的なストーリーの作成
プロジェクトの背後にあるストーリーを感動的かつ分かりやすく伝え、支援者に共感を呼び起こしましょう。
・コミュニティの構築
キャンペーン前にソーシャルメディアやメーリングリストを活用して支援者のコミュニティを築きましょう。
・説得力のあるキャンペーン
視覚的に魅力的で、情報が分かりやすいページを作成します。ビデオや画像、説明文などに効果的に活用するようにしましょう。
・キャンペーンのプロモーション
キャンペーン前からソーシャルメディア、Eメール、広報などでプロモーションを展開します。開始後も継続的な宣伝を繰り返し行い、多くの層をキャンペーンに呼び込みましょう。
クラウドファンディング成功の鍵は、具体的な目標と期間の設定、感動的なストーリーの伝え方、事前のコミュニティ構築、魅力的で分かりやすいキャンペーンページの作成、そして効果的なプロモーション戦略です。
これらを組み合わせて、支援者との共感を呼び起こし、成功に向けたサポートを広げましょう。
クラウドファンディングをアメリカのビジネスで活かすには
継続的な関係構築: 支援者との絆を深める
キャンペーン中や終了後、支援者との継続的な関わりは先々のビジネスにおいて不可欠と言えます。
ユーザーやカスタマーに感謝の意を示し、進捗報告や裏側のストーリーを共有することで支援者との絆を深め、今後のプロジェクトや商品にも期待を寄せてもらえるようなシチュエーションを築き上げましょう。
フィードバックの活用: 支援者からの貴重な情報
支援者からのフィードバックなどの意見はとても貴重な情報源となります。キャンペーン後、アンケートや直接的なコミュニケーションを通じ意見収集しましょう。
収集した情報を分析し、次回のプロジェクトやビジネス戦略の改善に活かすことで、支援者の期待に応えつつも持続的な成功に繋げることが可能となります。
イノベーションと差別化: 新しい価値を提供し競争力を高める
クラウドファンディングを成功させるためには、他社との差別化が必要不可欠です。
将来的にビジネスを展開するうえで、競合他社との差別化を図り、市場に新しい価値を提供することが重要だと言えるでしょう。支援者にとって魅力的で他にはない独自のアイディアや特長を打ち出すことで、クラウドファンディング成功への可能性が高まります。
グローバル展望と国際的な支援者の獲得: アメリカ国外からのサポートも考慮
アメリカ国内だけでなく国際的に支援者を獲得することで、ビジネスの成長を促進することができます。クラウドファンディングのプラットフォームを通じて世界中の支援者にアプローチし、国際的な展望を持つことで、事業規模を拡大しやすくなります。
国際的な市場への適応やニーズ対応をすることで、将来的なビジネスの成功につなげることが可能となります。
これらの要素を総合的に考慮し、クラウドファンディングを単なる資金調達手段としてだけでなく、将来的な事業戦略の一環として捉えると良いでしょう。
オンラインアシスタント/Emily.
アメリカ市場のクラウドファンディングにおいて、日本企業が成功を収めるためには英語での明確なコミュニケーションと魅力的なプレゼンテーションを欠かすことができません。アメリカのトレンドや需要を理解し、信頼性と透明性を重視することも重要なポイントです。
アメリカ市場のリサーチや言語に不安や心配がある場合、アメリカ在住の日米バイリンガルが所属するオンラインアシスタント/Emily.がおすすめです。
オンラインアシスタント/Emily.では、過去に調理家電メーカーの新商品販売のPRと市場調査のため、Kickstarterのアカウント登録とページ作成をサポートしました。また、FAQの作成やカスタマーサポート、Social Ads( Facebook / Instagram / X:旧Twitter )の展開にも協力した実績があります。
今回ご紹介したクラウドファンディングのプラットフォームを利用してアメリカ市場の情報収集を行い、自社のブランドや商品開発に役立てましょう。
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まとめ
今回の記事では、アメリカでクラウドファンディングを効率的に活用する方法についてご紹介しました。
目標の設定や感動的なストーリーの作成、事前コミュニティ構築のほか、魅力的なキャンペーンページや継続的なプロモーションも重要となります。
クラウドファンディングは市場調査としても活用することができますので、ご紹介したこれらの要素を組み合わせ、支援者を増やしクラウドファンディングで成功を目指しましょう。
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