アメリカでビジネスを展開したい場合、ぜひ導入をお勧めしたいのが「コールセンター」です。
BtoB、BtoC共に実際に電話で会話をすることにより、カスタマーからの信頼を得られたり、不安や心配な点などを解消することができ、クレームの場合などもメールやチャットより迅速な対応が可能となることから、電話を用いたカスタマーサポートのコールセンターは、カスタマーからの満足度を得やすいコミュニケーションツールとなります。
このようにアメリカでビジネスを行う際に重要な役割を担ってくれるコールセンターですが、中小企業や個人事業などのスモールビジネスの場合、人件費やシステム利用料などのコストを算出することは難しく、導入を諦めている日本企業も少なくないでしょう。
この記事では、アメリカで日本の中小企業がコールセンターを低コストで導入する方法や、アメリカ国内で利用する際におすすめのコールセンター用のソフトウェアなどをご紹介しています。
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アメリカでの「コールセンター」とは
アメリカの企業は、「コールセンターは戦略的に重要な機能である」という強い認識を持っています。一般的な大企業の新入社員は、3カ月ほど自社の持つコールセンターの現場で研修を受けます。そこで「コールセンターあってこその企業」ということを徹底的に教育されるのです。
日本と大きく異なるのは、運運営会社やオペレーターの力量に合わせて、ある程度の決定権を与えていること。返金を求める顧客に対して、日本なら一度電話を切って上長に確認をとって再度連絡して……という手順が求められるところを、「500ドルまでの返金なら自分で判断してOK」というように決定権を与えておくことで、1回のコールでのクレーム解決につなげます。
出典:NTTネクシア
このように、日本とアメリカではコールセンターで働く人々の認識や決裁権が異なることが分かります。
日本でコールセンターやカスタマーサポートに連絡した際、電話が繋がりにくく、担当者が何度も変わり、たらい回し状態になったり、確認後に改めて連絡する、電話をしたものの結局解決できなかった、などのようなトラブルに見舞われたことがある方も多くいらっしゃると思います。
『日本でのコールセンターは、アルバイトや派遣社員などが対応しているため、重要な事柄は正社員である上司などの上長に確認しないと何も対応してくれない。』『クレームをした際、解決策はなくただ謝罪が行われただけだった。』などのようなネガティブなイメージをお持ちの方もいらっしゃるでしょう。
ですが、アメリカにおいてコールセンターやカスタマーサポートは会社として重要な部署であり、決裁権も各従業員が持っている場合が多く素早い対応により、カスタマーから信頼を得ているコミュニケーションツールであると言えます。
日本とアメリカで異なる対応のコールセンター事例
私が経験した日米で異なる対応だったコールセンターの事例をご紹介します。
とある有名な世界中のホテルを予約できる総合サイトで「予約変更・キャンセル返金不可」を選択して、ホテルを予約しました。
ですが、COVID-19の影響から飛行機がキャンセルされ、ホテルに宿泊できない状態になりました。
そこで日本のコールセンターに「予約変更・キャンセル返金不可」で予約したものの、飛行機に乗れないので現地に行くことが出来ない旨を伝え、返金してもらえるか確認した所、どのような状況であっても返金は一切行えないとのことでした。
メールやチャットでも同様の内容を日本のカスタマーサポートに連絡してみましたが、やはり返金は行えないとのことでした。
世界中にコールセンターがある企業なので、今度はアメリカのコールセンターに電話してみたところ、数分で返金に応じてもらえました。
このように同じ企業にも関わらず、日本とアメリカのコールセンターで対応が全く異なる結果となりました。
日本とアメリカのコールセンターでの認識とは
日本の場合コールセンターに連絡すると言えば、クレームがある場合など、少しネガティブなイメージを抱く方が多いかも知れません。
ですがアメリカの場合は、コールセンターに連絡をする際はクレームというよりは問い合わせがある場合や、メールやチャットだと面倒なので、直接電話した方が楽だという理由でコールセンターにコンタクトするアメリカ人カスタマーが多くいます。
コールセンターを設置すれば、クレーム対応ばかりになるので、あえて設置しない方が良いとお考えの日本企業の方も多いでしょう。
ですが、アメリカではクレームを処理するだけの部署という認識ではなく、消費者の満足度を上げるために機能する会社の重要な部署だという認識なので、アメリカでビジネスを成功させたい場合はコールセンターを設置することで、よりアメリカの消費者に寄り添った形でビジネスを展開していけるでしょう。
アメリカでのコールセンターの立ち上げ方・費用の相場
コールセンターを業務委託する場合
何から行って良いか分からない場合や、コールセンターを担当できる人材がいない場合などはコールセンターの業務をまるっと請け負ってくれるアメリカのベンダーに委託するのが良いでしょう。
ですが業務の全てを委託するとなると、高額な費用が必要になる場合が多く、アメリカ企業とコミュニケーションを取る必要があるので、英語でのやりとりが必須となります。
十分な費用を準備できるかつ、社内に英語が話せる社員がいる場合であれば、アメリカ企業にコールセンター業務の全てを委託することで、アメリカでのカスタマーサポートの質が向上し、結果的にビジネスを成長させるために役立ってくれるでしょう。
自社でソフトウェアを導入する場合
十分な費用を準備することが難しい場合や、費用を抑えたい場合はコールセンターの機能を持つソフトウェアシステムの利用がおすすめです。
ただ、こちらも英語での初期設定やシステム利用が必須となり、実際にコールセンターの運営を開始した際も、カスタマーと英語を話すことが出来る人材の確保が必要となります。
この場合、システム利用料は抑えられたとしても、流暢に英語を話せる人材の確保と人件費が必要となります。
コンタクトセンターソフトウェア6選
自社でコールセンターを運営したい場合、おすすめなアメリカで利用できるソフトウェアのシステムや利用料金、特徴などをご紹介します。
Zendesk
Zendeskは、世界中で人気のクラウド型カスタマーサポート支援サービスです。
顧客は小規模なスタートアップから大企業まで16万社を超えており、現在は30以上の言語で使用されています。数あるカスタマーセンターサポート支援サービスの中で最も代表的な存在です。
Zendesk Suite | Zendesk Support | Zendesk for sales |
包括的なカスタマーサポート支援パッケージ | チケットを用いた問い合わせ管理機能のみのパッケージ | 営業支援ツールのパッケージ |
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Zendeskでは無料トライアルができ、トライアル期間後もアカウントにデータが残ります。また、条件を満たすスタートアップ企業は6ヶ月間無料でZendeskを利用できます。
ビジネスを行う際に顧客満足度を大きく左右する業務は「カスタマーサポート」だと言われています。多数の問い合わせにスムーズに素早く対応するカスタマーサポートを運営するために役立つのが、クラウド型支援ツール「Zendesk」です。[…]
Dial Pad
Dial Padは、世界的なコワーキングスペースWe Workでも利用されており、様々なディバイスからアクセスが可能で、クラウド上で完結できるのでコールセンターの担当者がどこにいても電話を受信できます。
担当者が世界中どこにいても電話対応ができるので、例えば英語話者が多く人件費を比較的抑えやすい、フィリピンやインドなどの国の人々にコールセンターを担当してもらうことも可能となります。
Standard | Pro | Enterprise |
$20/mo | $30/mo | Not listed, contact sales |
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8×8
8×8は通話の録音や、レポートや分析などを行えるソフトウェアです。
プランによっては、チャットやメール、SMSの利用が可能で、後々にメールマーケティングなども行いたいと考えている企業にとって、コールセンターと同じシステムでその他の施策も行うことができます。
ソフトウェアを一括化することで、多くのソフトウェアにログインしないといけないという、煩わしさから解放されます。
x6 Voice contact center | x7 One interface for voice and digital interactions | x8 Advanced contact center with QM and interaction analytics |
$85/mo | $110/mo | $140/mo |
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Five9
Five9はクラウドのコールセンターで業界トップレベルのシェアを誇ります。
こちらもパソコンさえあればすぐにコールセンターを開設できるので、業務委託を行いたいと考えている企業に良いソフトウェアだと言えるでしょう。ただ1番安いプランで$149/月となるので、上記のソフトウェアより少し高く感じてしまうかもしれません。
Core | Premium | Optimum | Ultimate |
$149/mo | $169/mo | $199/mo | $229/mo |
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AirCall
AirCallは、インバウンドとアウトバウンドの両方を行えるので、テレマーケティングを行いたいと考えている企業にぴったりなソフトウェアです。
$30/月から利用できるプランが用意されているので、低予算でコールセンターを設置したいとお考えの企業にぴったりなシステムです。
ESSENTIALS | PROFESSIONAL | CUSTOM |
$30/mo | $50/mo | Call for details |
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CloudTalk
CloudTalkは、中小企業向けに開発されたソフトウェアです。
ECシステムと連携させることが可能なので、アメリカでオンラインショッピングサイトを運営したい企業にぴったりなソフトウェアだと言えるでしょう。
この記事をご覧になっている日本企業でしたら、機能や料金的にCloudTalkが利用しやすい場合が多いでしょう。
Starter | Essential | Expert | Custom |
$25/mo | $30/mo | $50/mo | Contact us for tailor-made offer |
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オンラインアシスタントに外注する
おすすめのソフトウェアをご紹介しましたが、初期設定や運用を英語で行う必要があり、英語話者の人材がいない場合は、やはり難易度が高くなってしまうことでしょう。
またコールセンターを外注するとしても、高額な費用になる場合が多く、アメリカ進出を考えていたり、進出したての中小企業の場合、高額な委託費の予算を算出することは難しいでしょう。
ではどのようにして、この悩みを解決すれば良いのでしょうか?
それはアメリカで主流になっている、オンラインアシスタントを利用してコールセンター業務を一任、もしくは一部の業務を外注することです。
例えば、初期設定やシステム関連の設定などをオンラインアシスタントにお願いしてコールセンターの人材は、自社でリクルートしたり、コールセンターに在中する人材をオンラインアシスタントにお願いしたりと、様々な方法でフレキシブルにオンラインアシスタントにサポートしてもらうことが可能です。
とはいえ、アメリカ現地企業のオンラインアシスタントサービスを利用した場合、やはり英語でのやりとりが必須となります。
オンラインアシスタント/Emilyを利用する
そこでおすすめしたいのが、オンラインアシスタント/Emilyです。
日米バイリンガルのオンラインアシスタントが在籍しており、日本語でコミュニケーションを取ることが可能なので、英語の利用に不安がある日本企業の場合でも安心して利用して頂けます。
またアメリカでのビジネスに精通しているアシスタントばかりなので、アメリカ在住のカスタマーにとってどの様な対応を行えば良いかなどのアドバイスも行うことが可能となります。
アメリカでビジネスを展開する日本企業の多忙な経営者や社員が、コア業務に集中できる環境づくりを追求しているオンラインアシスタント/Emilyでは、アメリカ特有の文化やビジネス環境を理解したバイリンガルスタッフが、現地時間で様々な業務をサポート[…]
コールセンターを外注して、繁忙期と通常期でアシスタントの稼働時間や人数を調節されているクライアント様もいらっしゃいます。
株式会社JALUXは1962年に創設され、航空関連・農水産物・加工食品を取り扱った事業に加えて、小売店や通信販売サービスも基軸に、空港店舗や自社EC販売などのリテール事業を手がけて成長してきました。その米国現地法人であるJALUX AMER[…]
この様に臨機応変な対応が可能なので、無駄なコストを削減することが可能となります。
またコールセンターのみではなく、メール対応などを含む全てのカスタマーサポートのサポートを行うことが出来るアシスタントも在籍しているので、必要に応じたお手伝いを行うことができます。
顧客との直接の接点が少なくなりがちなEコマースにおいて、顧客の疑問や不満の窓口となるカスタマーサポートはとても重要な業務となります。アメリカでEコマースを展開するにあたっては、アメリカ特有の事情に合わせたカスタマーサポートを整備する[…]
まとめ
一見敷居の高いコールセンターの設置ですが、オンラインアシスタント/Emilyを利用すると、簡単かつ低コストでコールセンターを運用することが可能となります。
またコールセンターの設置後に、メールやチャットなどを含むカスタマーサポート全般もサポートでき、アメリカ在住のカスタマーへ顧客満足度の向上のアプローチが叶います。コールセンターを上手くに活用して、アメリカでのビジネスを成功へと導きましょう!
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