アメリカのリテール業界では、7月中旬から9月中旬までの期間に、学校の新学期を狙ったBack to School(バック・トゥ・スクール)というキャンペーンが行われます。
アメリカ市場を対象に商品を販売する場合、必ず知っておきたいこちらのキャンペーンについて、その概要と準備のためのスケジュール、キャンペーンアイデアなどを紹介します。
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Back to Schoolとは
アメリカでは、Back to School(バック・トゥ・スクール)と呼ばれる、子供の新学期に合わせた学校の用品あるいは関連商品の特売セールが広く行われます。冬休みに次いで2番目に重要な小売期間です。
夏が終わりに近づくにつれて、学生や保護者たちは、次の学年の準備をするために新しい商品を探し始めます。真夏から初秋まで続くこの期間は、しっかりと戦略的にキャンペーンの準備をしてのぞめば、売上高アップに繋がる多忙な時期になるでしょう。
Back to Schoolの買い物客は、文房具や通学に使うバッグのような基本的な学用品から、パソコンやタブレットなどの電子機器まで、幅広いカテゴリの商品を探しているため、この期間は販売促進に最適です。
アメリカと日本の学校制度の違い
Back to School(バック・トゥ・スクール)のシーズンは、通常7月中旬から9月中旬ごろまでです。
アメリカ全体で、州によってスケジュールが異なります。
多くの消費者は、学校の初日の数週間(または数ヶ月)前に買い物リストからいくつかのアイテムをチェックする準備をし始めるため、マーケティング担当者は7月の初めごろにBack to Schoolキャンペーンを開始できる状態にしておくと良いでしょう。
どのぐらいのお金が動くのか
デロイトの調査によると、2021年には、保護者が子供1人あたりに平均612ドルを費やしており、これは2020年のBack to School支出と比べて16%増加しています。
また、別のデータでは、2022年から2023年にかけて
- 1世帯平均で1199.43ドル
- K-12学生の平均は864.35ドル
の平均支出額が費やされていることがわかっています。
2021年時点で全米には約4950万人の学生がいることを考えると、Back to Schoolは学生や子供を持つ親たちのような消費者たちが、一気にお金を使う時期だということがわかります。
主要な商品カテゴリ
Back to Schoolでは、どのようなカテゴリの商品が対象となっているのでしょうか?
特に2020年以降最近では、オンラインで学ぶE-learningも増えてきているため、パソコンをはじめとする電化製品や、勉強机などの家具、通学用の衣料品、靴やカバン、文房具などが主要な商品カテゴリになっています。
キャンペーンのターゲットオーディエンス
Back to Schoolキャンペーンの対象消費者となる主要なターゲットオーディエンスは、
- 子供を持つ保護者
- K-12の学生
- 大学生
- 教師
となりますが、会社員など一般の消費者にとっても、Back to School セールは対象商品をお得に買い物できる機会なので、上記で紹介したような主要な商品カテゴリの販売をしている場合、しっかりとキャンペーンの準備を戦略的に行いましょう。
キャンペーンのスケジュールイメージ
新生活の始まりに向けて、特に早い人では7月ごろから準備を始めるので、キャンペーンに向けた準備は6月から準備を始めていきましょう。
対象商品とどのようなディスカウントやクーポンをオファーするかなどのキャンペーンの詳細が決まったら、効果的にターゲットオーディエンスに訴求するためのウェブサイトのバナーやSNSでの投稿、広告などのビジュアルの準備が必要になります。
7月から9月にかけてのそれぞれのフェーズに応じて、それぞれのキャンペーン詳細やそれに応じたクリエイティブやコピーなどの準備が必要となります。
インフルエンサーなど、外部のコラボレーターと協力してキャンペーンを行う場合には、さらにやりとりに時間を要するため、余裕を持って早めにスタートしましょう。
また、この期間に売上を伸ばすためには、マーケティング活動だけでなく、在庫の確保・管理などもしっかりと行う必要があります。
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有効なキャンペーンの例
Back to Schoolキャンペーンを成功させるために、どんな施策を計画するのが効果的なのでしょうか?
いくつかの例を紹介します。
学生限定セールなどの開催
学生に向けたクーポンの配布、よく一緒に購入される商品のバンドルオファー(セット購入での割引)などは、メインターゲットに訴求しやすいでしょう。
Emailやソーシャルメディアでのマーケティングの強化
キャンペーンに合わせて、Emailやソーシャルメディアでのマーケティングは必須です。ただセール情報をシェアするだけでなく、オーディエンスが目を引く、あるいは参加できるようなコンテンツを用いることで、ターゲットとのエンゲージメントを意識しましょう。
例えば、
- Instagram Storiesでの投票・クイズ機能の活用
- コンテストやGive Away企画の実施
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)のリポスト
などが挙げられます。
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インフルエンサーマーケティング
ターゲットの層やブランドイメージにフィットするインフルエンサーを起用し、マーケティングキャンペーンを行うブランドも多くあります。
適切なインフルエンサーを起用できれば、ターゲットオーディエンスに効率的にリーチでき、競合も一気にキャンペーンを行うこの期間に、消費者の記憶に残るキャンペーンにすることができるでしょう。
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コンテンツマーケティング
ブログ記事、ショッピングガイド、製品レビュー、ダウンロード可能な新学期に向けたチェックリストの提供など、ターゲット層にとって有益だったり興味を持ってもらえる情報を提供するコンテンツを発信することで、ブランドの認知度やイメージアップに繋がります。
また、資料ダウンロードからニュースレターの購読につなげ、Emailマーケティングができるようにするなど、複数のマーケティング手法でうまく相乗効果を出せるように計画を立てましょう。
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まとめ
Back to School(バック・トゥ・スクール)はアメリカでのリテールビジネスでの販売促進に最適な期間です。
マーケティングのスケジュールや効果的なアプローチなどを把握して、この活発なマーケティング機会を逃さず活用し、売上を伸ばしていきましょう。
アメリカ事業の立ち上げやリソース課題などでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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