ECサイト運営に関して、多くの場合一般消費者向けのB to C目的で行うものだと考えられがちですが、最近ではB to B(Business-to-business:アメリカでは一般的にB2Bと略される)として卸販売サイトを作成するケースも増えています。
これまでは、BtoBの卸販売として、クローズドな環境で卸先により異なる価格で商品を販売したくても、ECサイト上でその自動化が出来ずに手動で金額変更を行なったり、販売する個数の変更、請求書の発行などを従業員の作業により修正する必要があることから手間と時間を費やすため、ECサイトで卸販売サイトを運営するにはあまりにも非効率でした。そのため、ECサイトプラットフォームを利用したBtoBの卸販売サイトを運営している企業はあまり存在しませんでした。
ですが、昨今アメリカで人気のECプラットフォームShopifyを利用して、BtoB向け卸販売サイトが作成できるアプリが注目されています。(ShopifyではECサイトでの基本的な装備は実装されていますが、アプリを追加導入して必要な装備をカスタマイズすることが可能です。)
この記事ではアメリカでBtoB向けのビジネスを行う場合に、簡単に卸販売サイトを作成することができるShopifyのアプリ「B2B Wholesale Club」についてご紹介致します。
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BtoB向け卸販売サイト作成アプリ「B2B Wholesale Club」とは
B2B Wholesale Clubの概要・特徴
B2B Wholesale Clubは、BtoB向け卸販売サイトを作成するためのShopifyアプリです。
日本でBtoBの卸販売を行う場合、PDFなどの資料を元に直接販売メーカーにコンタクトを取り商品を発注するという昔ながらの手法が今でも主流ですが、アメリカの場合より簡潔に業務を行いたいと考えるビジネスパーソンが多いことから、インターネット上でECサイトのような気軽さで商品を発注する方法が主流となってきています。
このB2B Wholesale Clubでは、顧客タグを分けることでBtoCのECサイトを運営しながら、クローズドなBtoB向け卸販売サイトを作成することを可能としました。
例えば通常のBtoCのカスタマーは「ノーマル会員」の顧客タグにし、購入金額と個数が少ない企業を「A会員」の顧客タグ、購入金額と個数が多い企業を「B会員」の顧客タグとしましょう。
ノーマル会員は定価(上代)で、1個から商品を購入することができ、A会員とB会員はそれぞれの卸金額(下代)とミニマム個数から購入可能となります。
従来の卸販売サイトはBtoCの併用販売が不可能であったり、会員レベルで一律の割引しかできませんでしたが、B2B Wholesale Clubは他の卸販売サイトと異なり、商品それぞれに金額設定をすることができます。
B2B Wholesale Club | 従来の卸販売サイト | |||
ノーマル会員(BtoC) | ワンピース$80(定価)ブラウス$60(定価) | 1枚から購入可能 | ノーマル会員(BtoC) | 販売対応不可 |
A会員(BtoB) | ワンピース$60(A会員卸価格)ブラウス$40(A会員卸価格) | 20枚以上から購入可能 | A会員(BtoB) | 全商品一律10%OFF |
B会員(BtoB) | ワンピース$40(B会員卸価格)ブラウス$30(B会員卸価格) | 50枚以上から購入可能 | B会員(BtoB) | 全商品一律30%OFF |
この表のように、従来の卸販売サイトでは叶わなかったBtoCとBtoBへの販売をひとつのECサイトで完結させ、顧客タグごと各商品の販売価格を変更することが可能となりました。
また卸販売特有の後払い請求のオプションが用意されていたり、取引先が商品を大量購入した場合さらに割引する機能や、BtoBのみに販売する商品はBtoCの通常カスタマーに表示しない機能なども備えています。
B2B Wholesale Clubの料金プラン
B2B Wholesale Clubの料金プランは3種類あります。
各プランで実装されている内容が異なるので、自社に見合うプランを選択しましょう。
30日間の無料トライアルが準備されているので、その期間にどのプランにするか決めることができます。
ベーシックプラン | プロフェッショナルプラン | プレミアムプラン |
$39/月 | $69/月 | $99/月 |
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Shopifyのアプリについて
Shopifyでは標準のECサイトからバージョンアップさせたい場合や、より自由度が高く便利なEC運営が行えるように、さまざまなアプリが用意されています。
多岐に渡るアプリが存在し、ECサイトのビジュアルをより華やかにしたり、カスタマーサービスの簡潔化を図ったり、在庫管理を行なったり、SNSなどの外部チャネルと連動させたりと、ECサイトを運用するうえで必要なもの・手間がかかる業務に関してサポート的な役割を担っています。
無料で利用できるアプリもありますが、多くのアプリは別途使用料が必要となります。
ですが無料トライアルが用意されている場合がほとんどなので、トライアル中に利用の有無を決めると良いでしょう。
例えばアメリカのユーザーの意見や感想を知りたいと考える場合、アプリを利用してECサイトにアンケート機能を搭載することも可能です。
また返品大国のアメリカで従業員がイチから返品・返金業務を行うと時間がかかったり、エラーが起こる可能性もありますが、返品・返金をほぼ自動化させるアプリなども存在します。
スキンケアやサプリメント、食品などを取り扱う場合に取り入れたい定期購入(サブスクリプション)を管理するアプリや、ポイント付与を行うアプリなども存在し、アプリを利用することで、より理想的なECサイトが完成します。
オンラインアシスタント/Emilyについて
ShopifyのアプリB2B Wholesale Clubについてご紹介しましたが、自社で運用が難しい場合や、どのShopifyアプリを導入したら良いかわからない場合、Shopify運用が得意なオンラインアシスタントにアプリの選定・運用を業務委託すると良いでしょう。
オンラインアシスタント/Emilyでは、アメリカ在住の日米バイリンガルが日本企業のアメリカ進出、ビジネス展開のサポートを行なっており、ShopifyでのECサイト制作や運用サポート、アドバイザリーなどアメリカでのEC運営におけるさまざまなサポートをフレキシブルに提供しています。
イメージ通りなECサイトにするために、Shopifyのテーマやアプリの選定から分析・改善、アメリカでのEC運営におけるマニュアルの作成、カスタマーサポートのお手伝いなど、アメリカでビジネスをされている日本企業のオンラインアシスタントとして活動しています。
アメリカでEC事業を行う場合「Shopify」は非常に人気の高いECプラットフォームです。Fashion NovaやKylie Cosmeticsなど、大手アメリカ企業もECプラットフォームとしてShopifyを利用しています。Sh[…]
まとめ
BtoBの卸販売サイトが作成できるB2B Wholesale Clubについてご紹介致しました。
アメリカでBtoBの物販ビジネスを考えている場合、ECサイトから簡潔に商品を発注できるようにすることが売上に繋がる方法だと言えるでしょう。
Shopifyの場合、数多くのアプリが用意されているので、自社が思い描く理想的なECサイトが作成でき、従来のBtoBの卸販売サイトでは不可能であった顧客タグごとに各商品の値段を変更したり、BtoC販売と併用したECサイトを構築することが叶います。
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