Amazonの本国であるアメリカでは、Amazonを利用するユーザーが非常に多く世界で1番の会員数を誇ります。さらに現在アメリカでは、1億5,740万人以上がAmazonプライム会員であり、プライム会員は平均して年間1,400ドルをAmazonで消費していると言われています。
このように大きな経済効果を生むオンラインショッピングのプラットフォームであることから、アメリカのAmazonへ出店する外国企業が年々増加しています。これにともない近年では、Amazon USへ進出している日本企業も非常に多くなってきています。
日本企業がアメリカ企業や日本以外の外国企業と対抗し、Amazon USで売上を獲得するためにはストアのパフォーマンスを把握して改善することが必要だと言えるでしょう。
この記事ではAmazon USを運用するうえで注目するべき、16個のKPIについてそれぞれ詳しく解説しています。
日本企業がアメリカでのEC事業を展開する上で、まず候補に上がるのがAmazon USです。気軽に始められ、大きなセールスにつながる可能性がありますが、その分競争も激しい環境です。数多くのベンダーがいる中で消費者の心をつかむには、何が必要[…]
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KPIとは?
重要業績評価指標(key performance indicators:KPI)は、組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群である。KPI はビジネスインテリジェンスにおいて、現在のビジネスの状態を示すものとして使われ、今後の対応策でどうなるかを予測するのに使われる。
出店:Wikipedia
ビジネスの目標をあらかじめ設定しておくことで業務の方向性が明確になり、ゴールに向かうための進捗状況を分かりやすく示すことができます。KPIを設定し、その目標に向かって計測・分析を行い、修正点や改善点などがひと目見て分かるようにしましょう。
最近、アメリカのAmazonに進出している日本企業が増えてきています。Amazonは日本のアカウントを保有している場合、簡単に海外進出が可能ということで人気が高まっていますが、海外ビジネスは不明確なことも多く苦労されている日本企業もいら[…]
広告に関連するKPI
①広告売上KPI (Amazon ACoS)
Amazon ACoSは、Amazonのクリック課金制(PPC)広告キャンペーンを測定するために使用される指標です。PPCキャンペーンに費やされた金額と収入金額を比較し、行ったキャンペーンの費用対効果が高かったかどうかを判定するのに役立ちます。
ACosの計算方法【ACoS = 広告費 ÷ 広告収入 × 100】
Amazon ACoS は、広告費を広告収入で割り、パーセントに変換して計算されます。たとえば、広告キャンペーンに50ドルを費やし、そのキャンペーンから100ドルの収益を得た場合、Amazon ACoSは50%になります。
参照:Amazon ads
②広告総売上KPI (Amazon TACoS)
Amazon TACoS は総売上に対する広告費の割合を指します。数値が高いほどAmazon広告経由で商品が売れているということになります。
TACosの計算方法【TACoS = 広告費 ÷ 総売上 × 100】
総売上の何パーセントが広告支出に占めるかを測定することで、広告と売上のバランスを確認することができます。
③広告費用対効果KPI(Amazon RoAS)
Amazon RoASは、広告費に対する収益を測定することで広告キャンペーンの効果を示す指標です。短期間に実施された個々のキャンペーンや広告キャンペーンの年間評価など、さまざまな効果測定に適用できます。
RoASの計算方法【RoAS = 広告収益 ÷ 広告費】
RoASの追跡は重要な注目すべきKPIであり、デジタルマーケティングキャンペーンが効果的に機能しているか、特定の広告が期待通りに成果を上げているかについて判断するのに役立ちます。
参照:Amazon ads
④獲得単価KPI(Amazon CPA)
ユーザーのコンバージョンに対する広告費のことを指します。キャンペーンから戦略の効果を測定するのに適したKPIです。
CPAの計算方法【CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数】
⑤クリック率KPI(Amazon CTR)
ユーザーに広告が表示された回数に対して、どのくらいの割合でユーザーが実際にその広告をクリックしたかの指標です。Amazon CTRの場合キーワード毎、または検索用語毎に示されています。
CTRの計算方法【CTR = クリック数 ÷ インプレッション数】
CTRが特に低いキャンペーンとキーワード、ASINは商品とキーワードの相性が悪いことを示しているか、不適合な検索キーワードが含まれている可能性が考えられます。
現在、全世界で970万人以上のセラーが各国のAmazonへ出品していると言われております。数多くのセラーが世界中のAmazonへと出品しているなか、Amazonの本拠地であるアメリカでは年間10万ドル以上の売上を得ているセラーは、ほんの[…]
売上・注文に関連するKPI
⑥コンバージョン率KPI(Amazon CVR)
商品ページをクリックして商品購入に至った割合を示します。
Amazon USで全商品の平均コンバージョン率は 9.87%ですが、商品の特性などにより割合は異なりが生じます。
CVRの計算方法【CVR = 広告経由の総注文数 ÷ クリック数】
⑦平均注文額KPI(Amazon AOV)
AOVはECにおける購入ユーザーの1回あたりの平均注文金額を指します。ECを運営するうえで把握すべき指標のだと考えられています。
AOVの計算方法【AOV = 総売上額 ÷ 注文数】
⑧オーガニックコンバージョン率KPI
広告経由ではなくAmazon内の検索やブラウザ検索からの流入など、ダイレクトに商品購入に至った指標です。
この割合が高いほど、純利益が高いということを指します。
オーガニックコンバージョン率の計算方法
【オーガニックコンバージョン率 = (総売上額 – 広告経由売上額) ÷ 総売上額 × 100】
⑨注文不良率KPI(Amazon ODR)
注文不良率は商品不良により返品になった回数を、一定期間内に受け取った全体の注文数で割った値に基づいて計算されます。
ODRはAmazonが出品者のカスタマーサービスの基準を評価するために使用するパフォーマンス指標です。
あまりに低いパーセンテージになるとペナルティが課せられる場合がありますが、購入者の意図的な商品不良のレポートには出品者がAmazonに異議申し立てを行うことが可能です。
⑩パーフェクトオーダー率KPI
パーフェクトオーダー率KPIは、Amazonの重要な指標です。商品を受注した後、注文を処理し、正しい期間内に商品の発送完了と出荷報告をする必要があります。
最適なパーフェクトオーダー率を維持するために、適切な期間内に出荷を完了しましょう。
⑪出荷前キャンセル率KPI
出荷前キャンセル率KPIは、注文が発送される前に出品者が開始した注文キャンセルの割合を注文総数で割ったものです。Amazonでは出品者がフルフィルメント前のキャンセル率をゼロまたは2.5%未満に維持することを推奨しています。
適切な在庫管理を心がけ出荷前キャンセル率を防ぐ必要があります。
出荷前キャンセル率を防ぐため、実在庫からかけ離れた過剰な数量入力は控えましょう。
⑫出荷遅延率(Amazon LSR)KPI
LSRは10日または30日の両日で、出荷予定日後に出荷確認された注文の割合を合計注文の割合を表します。
LSRは、出品者が実際に出荷した注文にのみ適用され、Amazonの出荷遅延率ポリシーでは、出品者はAmazonで販売するためにLSRを4%未満に維持する必要があります。LSRが4%を超えるとアカウントが無効になるなど、ペナルティが課せられる場合があります。
出荷遅延率の計算方法【出荷遅延率 = 出荷予定日以降の出荷数 ÷ 出荷予定日以前の出荷数 × 100】
⑬返金率KPI
返金率は返金された注文の割合を示します。このKPIは高品質の製品を提供し、不良率と顧客満足度を追跡するためにとても重要な項目です。
返金率の計算方法【返金率 = 総返品数 ÷ 総販売数 × 100】
運用に関連するKPI
⑭商品ランキングKPI
商品ランキングは、Amazonにおいて出品者が認識しておくべき重要なパフォーマンス指標の1つです。購入者は、特定の商品を購入するという特定の理由でAmazon 選択します。
多くのユーザーが必要なアイテムを見つける為に検索オプションを利用しますが、大抵のユーザーは、検索結果の最後のページまでスクロールしません。そのため、商品ランキングKPIが重要だと言えるでしょう。
関連するカテゴリでベストセラー ランクを獲得し、検索結果の最初のページに掲載することでより多くの商品販売へと繋げます。
⑮連絡応答時間KPI
連絡対応時間は、過去24時間以内に処理した数を示します。
時間内に返信が行われない場合、カスタマー サービスのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある為、メッセージに迅速かつ丁寧に返信することが最優先事項となります。
⑯投資利益率KPI(ROI)
投資利益率はビジネスの収益性を追跡する最も重要なAmazon KPIの1つです。このKPIを計算するには、利益からCOGS (製品コスト、中国からの配送など)を差し引きます。
在庫に投資した1ドルあたりの収益を確認するのに役立ち、ブランドレベルとASINレベルでの追跡がおすすめです。
ビジネス成長に直接影響する項目だと考えられます。
ROIの計算方法【ROI = 利益 ÷ 製品コスト × 100】
最近、アメリカのAmazonに進出している日本企業が増えてきています。Amazonは日本のアカウントを保有している場合、簡単に海外進出が可能ということで人気が高まっていますが、海外ビジネスは不明確なことも多く苦労されている日本企業もいら[…]
KPIの設定・管理をオンラインアシスタントへ依頼
アメリカのAmazonを運営する際に重要となるKPIについてご紹介しましたが、実際にこれだけ多くのKPIを設定し、管理を行うことは容易ではありません。また、アメリカのビジネスに合わせたKPI設定を行わなければならないため、アメリカ市場とAmazon USについて深く理解する必要があります。
不慣れなアメリカでのビジネスの場合、参考になるブランドや商品などを選定することも難しいと考えられます。
さらに様々なアメリカのデータに基づいてKPIを設定する必要があるため、ネイティブレベルの英語力も必須だと言えるでしょう。このような場合、日本企業におすすめしたいのがオンラインアシスタントにKPIの業務委託を行うことです。
アメリカ在住の日米バイリンガルが所属するオンラインアシスタント/Emilyでは、Amazon USの豊富な経験を持つアシスタントが在籍しています。
また多くのデータを蓄積しているため、他社の事例などを基に無理のない正確なKPIの設定を行うことが可能です。KPIの設定だけではなく管理も行うので、最短で目標達成できるよう業務改善のアドバイスと実行が可能となります。
まとめ
Amazon USを運営するうえで重要なKPIについてご紹介しました。海外でのビジネスは不慣れなことが多く、不安になる場合が多いかと思います。
ですがKPIを設定し計測・分析を行い、改善していく事で売上アップに繋げていけることでしょう。
自社での運用が難しいと思う場合は、AmazonなどアメリカでEC経験があるオンラインアシスタントのサポートを得て、Amazon USでの成功を目指しましょう。
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