アメリカでビジネスを行う日本企業の経理部門は、少人数のチームも多いことから、従業員に負担がかかりやすい現状がよくあります。さまざまな締め切りに追われながらも、スムーズに業務を回すためには、幅広い業務を効率的に進めることが大切です。
この記事では、アメリカの経理部門のよくある課題とそれぞれの解決法をご紹介します。
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手作業によるデータ入力などの細かいタスクが山積
課題
多くの日本企業がアメリカでビジネスを展開する際、経理部門は多岐にわたる業務を少人数で遂行しています。また、データ入力や細かなプロセスが手作業で行われることが一般的で、従業員は膨大な数の細かいタスクに追われ、生産性が低下する傾向があります。
ノンコア業務に時間を費やす従業員は、本来の戦略的な業務や意思決定に十分な時間を充てることが難しくなります。また、時間に余裕がない中で行われる業務は、人為的なエラーやミスが発生しやすく、それが後々の業務に悪影響を及ぼす可能性があります。
解決策
手作業による業務を効率的に処理するためには、適切なツールの導入が重要です。自動化ツールやデータ入力支援ツールを活用することで、業務を迅速にまた正確な処理が可能となります。
例えば、会計データの管理や帳簿作成を簡素化するツールのQuickBooksや、経費精算を効率化し、領収書のデジタル化をサポートするツールExpensifyなどの導入が挙げられます。
細かい業務やノンコア業務を外部に委託したり、ツールを導入することで、社員は本来の専門性を活かした業務に集中できるようになり、業務も効率化できます。
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システムの見直しがされず老朽化
課題
多くの日本企業がアメリカでビジネスを展開する際、従来からの古いツールやシステムを使用し、新しいツールへの切り替えを先延ばしにする傾向があるため、結果として業務効率の低下を招く原因となっています。
古いツールは新しい技術や効率的なプロセスに対応しておらず、人の手で行わなければならないため、経理業務の負担も大きくなります。
解決策
老朽化したシステムやプロセスを見直すために、外部のコンサルティングを導入することも役立ちます。コンサルタントは経験豊富であり、最新のトレンドやベストプラクティスを把握しています。
老朽化したツールやシステムを新しいものに刷新することで、将来的な業務効率向上に繋がります。新しいツールの導入には初期の投資が必要ですが、最新のセキュリティ対策やデータ管理機能も導入され、組織全体の信頼性も向上します。またこれは将来的なリターンを考えると賢明な投資です。古いツールによる業務の効率低下やリスクの増加を回避するためには、時代に合わせた効果的なツールへの投資が必要です。
限られたリソース(人員、コスト、専門性、ノウハウなど)
課題
アメリカでビジネスを展開する日本企業が直面するリソースの課題は、主に人員の不足と異なるビジネス環境への適応が挙げられます。
人員が限られる状況では、各社員に過度な業務負担がかかるほか、アメリカでのビジネス環境が日本と異なるため、専門的な知識や経験が不足しているという課題が浮き彫りになります。
解決策
まず、チームメンバーへのトレーニングと専門的なスキル開発のための投資が必要です。新しいビジネス環境に適応するためには、現地の法規制や文化、ビジネス慣習などに関する知識が欠かせません。会社が従業員に対してトレーニングプログラムを提供し、必要なスキルや知識を身につけさせることで、効果的に業務を遂行できるようになります。
同時に、限られた人員では全ての業務を十分にカバーすることが難しいため、専門的な業務に関しては一部を外部に委託することも一つです。これにより、企業は自社のリソースを最適化し、限られた人員をより戦略的に配置できます。外部への委託を通じて、不足している専門的な知識や経験を補完することができ、複雑な業務にも対処できます。
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コンプライアンスや規制
課題
小規模なチームが、変わり続ける規制要件やコンプライアンス基準に正確に対応することは困難であり、エラーが発生すると罰則や法的問題、風評被害につながるリスクが増大します。
解決策
従業員に対して、定期的なコンプライアンストレーニングを実施することが重要です。これにより、最新の法的要件やコンプライアンス基準に対する理解が深まり、チーム全体が迅速に対応できるようになります。
小規模な経理チームが、変化する環境に迅速かつ正確に対応するためには、外部の専門家やコンサルタントと連携することもおすすめです。最新の法的な動向やコンプライアンスに関する専門知識を持っており、必要なアドバイスやサポートを提供してくれます。
タスクの属人化
課題
タスクの実行方法やプロセスが個々の社員にしか分からない状況では、その社員が不在になった場合に業務の停滞や混乱が生じます。特にマニュアルなどの文書化が不足していると、他のメンバーが適切に引き継ぎを行うことが難しくなります。
タスクが特定の個人に依存している場合、その人物が組織を離れたり休暇を取ったりした際には、業務の引き継ぎが複雑で時間がかかり、生産性や業務効率に悪影響を及ぼす可能性があります。
解決策
タスクを整理し、その手順やプロセスを明確に文書化することが大切です。作業手順などを記載したマニュアルを作成し、全ての関係者がアクセス可能な形で管理します。これにより、他のメンバーが必要な情報に簡単にアクセスでき、引き継ぎがスムーズに行えるようになります。
従業員には、各タスクやプロセスに関するトレーニングを提供し、彼らがお互いにタスクを理解し合えるようにすることが重要です。定期的な知識共有のセッションやワークショップを実施することで、タスクの属人化を防ぎ、全体の作業効率向上に役立ちます。
また、タスクの属人化を解消するためには、特定の個人以外にも日頃から業務を分散させることで、担当者が不在であっても他のメンバーが引き継ぎや代替を行えるようになります。
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オンラインアシスタント/Emily
オンラインアシスタント/Emilyでは、データ入力や経費精算、インボイスの発行や処理などの経理のルーティン業務のような、バックオフィス系のサポートも行っています。企業は業務委託を行うことによって、本来時間を割くべき業務に集中することができたり、新規事業への取り組みを始めることができるようになり、おすすめです。
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まとめ
アメリカの経理部門によくある課題と解決法についてご紹介しました。多くのアメリカの日本企業には、経理に費やす時間やリソースが不足しがちですが、事業を円滑に運営し続けるために、効率的で時代に合ったシステムの導入やプロセスの最適化が必要です。
組織の競争力向上のためにも、社員が行うべきコア業務と外部委託できるノンコア業務を切り分けたり、社員のトレーニングに投資したり、業務効率化につながるツールを活用してみるなど、経理チームの現状を見直してみましょう。
アメリカ事業の立ち上げやリソース課題などでお困りの方はお気軽にご相談ください。
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